核不拡散科学技術国際フォーラム 結果概要
5月18、19日、東京内幸町の新生ホールにおいて核不拡散科学技術国際フォーラムを開催した。
特別講演では、「核不拡散:変わり行く状況への対応」と題してエルバラダイ国際原子力機関事務局長(ハイノネン事務局次長が代読)が、核拡散の深刻化に対し、多国間管理構想、核物質防護強化、追加議定書の普遍化、検証能力の強化など、IAEAを中心として国際協調を図ることにより、対応していく必要性と緊急性を訴えた。
2つのキーノートスピーチでは、まず、米国エネルギー省国家核安全保障庁のポール副長官が「国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)の将来展望」と題してGNEPの意義について、エネルギー供給、廃棄物対策、核不拡散を挙げ、これに係る7つの戦略目標を紹介し、GNEPへの国際的参加を呼びかけた。次いで、秋元勇巳経団連資源・エネルギー対策委員会委員長が、「原子力の平和利用と核不拡散の両立に向けた日本の取組み」と題して、日本の取り組みと、核燃料供給保証、GNEP、インドとの原子力協力についての期待と課題について講演された。
また、「核不拡散と原子力平和利用の将来展望」と題したパネルディスカッション1では、燃料供給保証やGNEP、インドの原子力協力などホットで政策的なテーマを中心に議論が展開された。パネル2、3は、核不拡散を支える技術に焦点をあてたパネルで「核不拡散・保障措置技術の将来展望」と題したパネル2では、保障措置における研究開発は、核不拡散体制の強化にとって重要との総括がなされた。「核拡散抵抗性の高い原子力システム技術開発の現状と将来展望」についてのパネル3では、核拡散抵抗性のテーマは検討する論点が多く、今後もさらなる議論が必要と締めくくられた。いずれも盛況で力のこもった議論が展開された。詳細を以下に報告する。(参加者 国内外より約340名)

