平成30年3月9日(金)更新
深度350m調査坑道
の試験坑道3において、坑道掘削に伴う岩盤の応力変化により坑道周辺に発生する割れ目の連結性や三次元分布を可視化することを目的として、京都大学と共同研究「幌延深地層研究センターにおける掘削損傷領域の可視化手法の検討」(
平成28年2月5日掲載記事
など参照)を実施しています。
平成28年度は、粘性が低く、紫外線照射により発光する性質を持った樹脂を開発し、坑道周辺岩盤に注入しました。さらに、樹脂注入後の岩石試料の採取を行いました(
平成28年9月9日掲載記事
、
平成28年8月5日掲載記事
など参照)。 今回は、紫外線ランプを装着したカメラ装置をボーリング孔内に挿入し、樹脂が充填された割れ目を特定し、それらの位置や方向の情報を取得しました。今後、樹脂注入後に採取した岩石試料の観察結果と比較し、掘削損傷領域の割れ目の可視化に向けたデータ整理を行います。
写真1 現場作業の様子
写真2 紫外線ランプを装着したカメラ装置
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平成30年3月2日(金)更新
原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究「
搬送定置・回収技術の実証的検討に関する研究
」では、深度350m調査坑道の
試験坑道2
において、処分坑道横置き定置方式*1での人工バリアの搬送定置・回収技術の実証試験を予定しており、これまでに試験坑道の整備や要素試験を実施してきました(
平成29年1月27日掲載記事
、
平成29年10月27日掲載記事
など参照)。
今回、
平成30年2月23日掲載記事
で紹介した模擬PEM*2(直径約2.5m、長さ約3.5m、重さ約36トン)の組立てを継続し(写真1)、設置が完了しました(写真2)。
今後、平成30年度に模擬PEMと坑道壁面の隙間を充填する隙間充填材施工試験を、平成31年度に隙間充填材除去試験および模擬PEMの回収・搬送定置試験を実施する計画です。
*1 処分坑道横置き定置方式とは…
坑道に人工バリアを横向きに定置する方式です。(なお、
試験坑道4
で実施している
人工バリア性能確認試験
は竪置き定置方式を採用しています。)
*2 PEMとは…
鋼製の容器の中に、人工バリアであるオーバーパックや緩衝材を設置し、一体化したものです。(Prefabricated Engineered barrier system Moduleの略)
本試験では、オーバーパックと緩衝材を封入しない模擬PEMを試験坑道2で組み立てました。
写真1 模擬PEMの組み立て状況
写真2 模擬PEMの設置完了
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