深地層研究計画の状況

平成29年11月の調査研究の状況

平成29年11月24日(金)更新

低アルカリ性コンクリート材料の周辺環境への影響調査
-東立坑覆工コンクリートからのコア採取-

東立坑の深度374mから深度380mでは、支保として低アルカリ性セメントを用いた覆工コンクリートを施工しました( 平成26年4月18日地下施設整備工事の状況 参照)。この覆工コンクリートが周辺の岩盤および地下水へ与える影響を確認するために壁面からコンクリートと岩石のコアを採取しました(写真1)。
 採取したコアを用いて、コンクリートと岩盤の境界部分の変質の状態を分析します。これまでにも定期的にコアや地下水を採取し( 平成26年6月20日掲載記事 平成27年6月26日掲載記事 参照)分析を行っており、これらの結果と合わせて施工後に経過した時間と変質の進み具合の関係などについて検討する予定です。


写真1 コア採取状況(東立坑深度380m)

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平成29年11月17日(金)更新

第14回国際ガス地球化学会議での発表および、優秀ポスター賞の受賞

幌延深地層研究センターでは、地質環境の長期安定性に関する研究として、過去から現在に至る地質環境の長期変遷のプロセスやメカニズムを明らかにするための研究開発を進めています。その一環として、ボーリング調査時におけるメタンや二酸化炭素などの地下水に含まれるガスの調査手法について改良を行いました。従来の手法では、試料採取後に試料容器内における微生物活動が結果に影響を与えていたことを明らかにし、微生物活動を抑えるための要点などを整理しました。
 その成果を第14回 国際ガス地球化学会議(9月24日~27日にかけてポーランドのブロツワフで開催)で発表しました(写真1)。会議では、各国から数十名の研究者らが出席し、地球上における様々な起源のガスを対象にした研究内容が発表されました。なお、幌延深地層研究センターの研究者による発表*1は、優秀ポスター発表として表彰されました(写真2)。


*1 参考文献とは…
 Miyakawa, K. ,F. Okumura (2017) Preliminary research on the effects of microbial methane oxidation on drill-core head-space gas analysis. International Conference on Gas Geochemistry 2017 Abstracts, 173-176.

写真1 会議の様子

写真2 優秀ポスター賞の賞状

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平成29年11月17日(金)更新

水圧破砕ワークショップを開催

平成29年11月12日(日)~14日(火)に、幌延深地層研究センター国際交流施設において、水圧破砕*1ワークショップを開催しました。本会議は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と京都大学が取り組んでいる「水圧破砕亀裂の可視化のための研究」について、これまでの研究実績および今後の方向性を意見交換する目的で実施したものです。原子力機構では京都大学との共同研究「 幌延深地層研究センターにおける掘削影響領域の可視化手法の検討 」において坑道周辺岩盤への樹脂注入試験を実施しており、この試験についても関連技術として紹介を行いました。
 会議には、原子力機構、京都大学、秋田大学、JOGMECのほか、石油開発会社の専門家など25名が出席し、それぞれの機関で実施している研究の紹介が行われたほか、JOGMECにおける研究の方向性について各研究機関の専門家による意見交換が行われました(写真1)。
 また、平成29年11月13日(月)には、幌延深地層研究センターで実施している地層処分技術に関する研究開発の現状について紹介を行うとともに、深度350m調査坑道において実施した樹脂注入試験現場の状況を確認(写真2)しながら意見交換を行いました。


*1 水圧破砕とは…
 岩盤中に掘削したボーリング孔内を閉塞し、水等の流体により圧力を上げて岩盤中にき裂を造成する技術です。

写真1 会議の様子

写真2 試験現場における状況確認の様子

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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