深地層研究計画の状況

平成26年9月の調査研究の状況

平成26年9月26日(金)更新

人工バリア性能確認試験 坑道の埋め戻し

深度350m調査坑道( 試験坑道4 )で実施する人工バリア性能確認試験では、実物大の模擬オーバーパックと緩衝材を試験孔に設置したあと( 平成26年8月22日 9月5日掲載記事 参照)坑道を埋め戻します。埋め戻し材は、ベントナイトと掘削土(ズリ)を混合したものです( 平成25年8月23日記事 参照)。
 坑道の下半分は、埋め戻し材の敷き均し(写真1)をした後、ハンドガイドローラーで転圧締め固め(写真2)をするという作業を繰り返し、高さ約140cmまで埋め戻しました。現在は、坑道の上半分に、埋め戻し材を圧縮成型したブロック(サイズ:30cm×30cm×10cm)( 平成26年2月7日掲載記事 参照)を約8,000個設置する作業を行っています(写真3)。
 今後、坑道の埋め戻しが終了した後に、コンクリートのプラグ(蓋)を設置し、計測を開始する予定です。

写真1 埋め戻し材の敷き均し状況

写真2 転圧締め固め状況

写真3 埋め戻し材ブロック設置状況

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平成26年9月19日(金)更新

幌延深地層研究センターで実施した岩盤中の物質移動に関する調査研究結果の発表

幌延深地層研究センターの地下施設では、天然バリア(岩盤)および人工バリア(緩衝材)中での物質の挙動を把握するために、物質移動に関する研究を実施しています。このほど、岩盤中の割れ目を対象とした物質移行試験結果とその解析結果を取りまとめるとともに、新たに亀裂性堆積岩が有する物質の移動に関する特性を明らかにしました。
 この成果を論文*に取りまとめ、平成26年8月24日~28日にカナダのバンクーバーで開催された国際会議「19th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC 2014)」において発表しました。本会議では、環太平洋地域を中心とした約20か国の研究者・技術者が集い、原子力分野における安全保障や環境保全から廃棄物管理や燃料サイクルなどの広範囲な分野について、約300件の論文発表が行われました。

* Yokota, H. and Tanaka, S., 2014, PRELIMINARY ANALYSIS OF DIPOLE TRACER MIGRATION EXPERIMENTS IN FRACTURED SEDIMENTARY ROCK AT HORONOBE URL OF JAPAN, Proc. of the 19th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC 2014), PBNC2014-385, (CD-ROM).

写真 研究発表の様子

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平成26年9月12日(金)更新

人工バリア性能確認試験 地中無線センサの設置
(原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究)

深度350m調査坑道( 試験坑道4 )で原子力機構が実施している人工バリア性能確認試験では、人工バリアの変化(温度や水分など)を観測するためのセンサを120個設置(埋め込み)します。
 加えて、緩衝材中に土圧計1個、間隙水圧計2個の無線計測機器を設置し、無線計測技術の適用性の確認を目的とした技術開発を公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究として進めています。
 緩衝材中への機器の設置については、9月4日に 緩衝材ブロック 11段目を設置した後、写真のように土圧と間隙水圧を計測するセンサと計測したデータを発信するための地中無線送信機を設置しました。また、計測機器の設置後に通信確認試験を実施した結果、岩盤内を通じてデータの送受信が可能であることを確認しました。今後、坑道を埋め戻す際にも同様のセンサと地中無線送信機を設置する予定です。
 図は、プラグ設置後に送信機から計測データ(シグナル)を発信し、岩盤を通って受信アンテナで受信し、ケーブルを通して受信機本体に送るイメージを表したものです。

写真 地中無線送信機と土圧計及び
間隙水圧計設置の様子(緩衝材11段目上部)

図 地中無線のイメージ図

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平成26年9月5日(金)更新

人工バリア性能確認試験 模擬オーバーパックの設置

深度350m調査坑道(試験坑道4)で実施する人工バリア性能確認試験では、実物大の模擬オーバーパックと緩衝材を直径2.4m、深さ4.2mの試験孔に設置します。8月29日に、試験孔の中にドーナツ状に積み上げた緩衝材の中心へ模擬オーバーパックを設置しました。
 模擬オーバーパックの表面には、温度を観測するために温度計を貼り付けました(動画)。
 写真1、2は、試験孔内に下ろした模擬オーバーパックの中に錘(おもり)を入れ、上部に蓋(ふた)を設置している状況です。

写真1 錘(おもり)設置状況

写真2 上部蓋(ふた)設置状況

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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