深地層研究計画の状況

令和3年6月の調査研究の状況

令和3年6月11日(金)更新

人工バリア性能確認試験
(加熱試験用の電熱ヒーターの停止)

350m調査坑道の試験坑道4では、人工バリア性能確認試験を実施しています。この試験では、ヒーターの設定温度を変化させることによって、ガラス固化体の発熱やその発熱量が時間経過とともに低下していくことを模擬し、人工バリアや埋め戻し材周辺で発生する変化(温度、水分、応力、水質等)を調べています。平成27年1月15日からは加熱試験(設定温度約95℃)(平成27年1月16日ホームページ掲載 参照)を開始し(写真:左)、令和2年6月24日からはヒーターの設定温度を約95℃から約50℃に徐々に低下させました(減熱試験の開始)。ヒーターの温度低下により人工バリア中の温度、水分量、応力などが変化していることを確認しました。これらの結果を踏まえ、令和3年5月18日にヒーターを停止し(写真:右)、ヒーターの温度の影響がない状態での試験に移行しました。
 図は令和2年4月1日~令和3年6月8日の模擬オーバーパック(模擬OP)表面と緩衝材中の温度変化を示しています。ヒーターの設定温度(模擬OP表面温度)を低下させることにより、いずれの緩衝材の位置においても温度が低下しています。現在は、試験を行っている地下の温度に近い約27℃付近まで温度が低下していることが確認できます。今後も継続して人工バリアや埋め戻し材周辺で発生する変化を確認していきます。

ヒーター制御盤の様子

写真 ヒーター制御盤の様子
(左:加熱試験開始時、右:ヒーター停止後)

模擬OP表面と緩衝材中の温度変化

図 模擬OP表面と緩衝材中の温度変化(令和2年4月1日~令和3年6月8日)

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令和3年6月11日(金)更新

幌延深地層研究センターにおける地震観測
(令和3年6月4日 留萌地方中北部で発生した地震)

幌延深地層研究センターでは、250m調査坑道、350m調査坑道および地表部(西立坑アクセスルーム)に地震計を設置し、観測をしています(令和2年4月3日ホームページ掲載令和2年12月25日ホームページ掲載令和3年2月15日ホームページ掲載 参照)。
 令和3年6月4日(金)午後10時46分頃、留萌地方中北部を震源とする地震が発生しました。この地震の震源の深さは約19km,規模(マグニチュード)は2.8と推定されており、幌延町で震度1が観測されました。
 当センターにおいてもこの地震を観測しました。観測結果として、地表部、250m調査坑道および350m調査坑道で取得した東西方向、南北方向、鉛直方向の地震波形を図1~3に示します。

地表部に設置した地震計で取得した地震波形

図1 地表部に設置した地震計で取得した地震波形

250m調査坑道に設置した地震計で取得した地震波形

図2 250m調査坑道に設置した地震計で取得した地震波形

350m調査坑道に設置した地震計で取得した地震波形

図3 350m調査坑道に設置した地震計で取得した地震波形

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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