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大学等への公開特別講座
2026年度大学等への公開特別講座の講演テーマ
1. 「JAEA R&D Navigator」掲載の最新研究テーマ
原子力機構では「JAEA R&D Navigator」に図を中心にわかりやすく最新の研究開発成果を紹介しておりますので、この中から講演テーマをお選びいただけます。詳細は以下のページを参照ください。
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JAEA R&D Navigator |
2. 各研究開発における講演テーマ
高温ガス炉水素・熱利用研究
- 1. 高温ガス炉を用いた大規模水素製造実現に向けた取組
- 高温ガス炉は、優れた安全性を有し、900℃以上の高温熱が得られる原子炉である。この高温熱を利用して、発電用途のみならず大規模水素製造や高温プロセスへの熱供給など,多様な産業への利用が可能である。本講演では,原子力機構にて進める高温ガス炉を用いた大規模水素製造実現に向けた取組を紹介する。
- 関連ページ:高温ガス炉と水素・熱利用研究
福島第一原子力発電所の廃止措置と福島の環境回復
- 1. 福島第一原子力発電所事故後のJAEAの取り組み
- 福島第一原子力発電所事故の概要と事故後の原子力機構の環境回復、廃止措置への取組等(全体概要)を紹介する。
- 2. 放射性セシウムの吸脱着メカニズム
- 放射性セシウムの土壌に対する吸脱着メカニズム
- 3. 高度化する無人モニタリング技術
- モニタリング技術開発(航空(ヘリ、航空機)モニタリング・水中モニタリング・シンチレーションファイバー)について説明する。
- 4. 放射能マップはこうしてできあがる
- 放射能分布の詳細調査(線量・土壌測定~マップ作成~可視化への取組み)について説明する。
- 5. 燃料デブリ取り出しに向けた研究
- 原子炉内で何が起こったか、溶融燃料デブリの取り出し向けた研究開発について紹介する。
- 6. 福島第一原子力発電所事故と災害対応ロボット
- 福島第一原子力発電所事故時のロボットによる緊急時対応の事例と、そこから見える災害対応ロボットの課題について紹介する。
- 7. 事故に由来する廃棄物の管理と放射性核種の汚染ふるまい
- 事故に由来する廃棄物の管理方法について、通常の廃棄物の場合と比較して概説するとともに、放射性核種の汚染ふるまいについて述べる。
- 8. 福島第一原子力発電所の廃炉作業環境の改善に向けた技術開発
- 福島第一原子力発電所の廃炉作業における作業員の被ばく低減に貢献するため、建屋構造及び空間線量率情報から線源位置を推定するシステム及び遮蔽材設置等の措置の前後の空間線量率の変化を推定・可視化する評価システムについて紹介する。
- 9. 福島第一原子力発電所の廃止措置における分析施設の整備と運用
- 放射性物質分析・研究施設の整備状況と、第1棟において実施する廃棄物分析・ALPS処理水第三者分析について紹介する。
原子力安全規制や原子力防災等への技術的支援
- 1. 原子力施設の確率論的事故影響評価研究 -防災分野への適用-
- 環境への放射性物質の放出による公衆のリスクを評価するレベル3の確率論的リスク評価(PRA)について、その解析手法を概説するとともに、原子力機構が開発中のOSCAARコード及び原子力防災への適用に係る最新の研究成果を紹介する。
- 2. 長期間使用された原子炉機器を対象とした健全性評価研究
- 国内軽水炉の運転期間の長期化等を踏まえ、原子炉圧力容器や配管等を対象とした材料劣化予測手法や健全性評価手法の最近の取組みについて概説する。
- 3. 原子炉建屋・機器の健全性評価に関する最先端シミュレーション技術
- 原子炉建屋に対する耐震評価や飛翔体衝突の影響評価、安全上重要な機器に対する地震やシビアアクシデント等の事象が発生した場合の健全性評価の構築に向けて開発を進めている最新のシミュレーション技術について概説する。
- 4. 原子炉施設の地震リスク評価と安全性向上
- 原子力発電所における確率論的地震リスク評価について、その活用を含めて概説する。
- 5. 軽水炉の安全向上に向けた熱水力安全研究
- 現行原子炉の安全確保の方法について、基礎となる深層防護の考え方や安全研究の内容、さらには福島第一原発事故を踏まえた安全対策の高度化の内容について述べるとともに、様々な新型原子炉で検討されている安全性高度化手法について解説する。
- 6. 事故時の軽水炉燃料のふるまい
- 軽水炉施設の安全性を評価するために想定される「設計基準事故」として、「反応度事故」及び「冷却材喪失事故」が代表的である。これらの事故条件下における軽水炉燃料のふるまい等について解説する。
- 7. 核拡散防止のための核物質の極微量分析技術
- 核兵器開発など秘密裡の原子力活動を検知する技術は、核拡散を防止するために必要不可欠である。ここで、原子力施設内で採取された環境試料を分析し、そこに含まれる極微量の核物質の素性を明らかにできれば、その施設での原子力活動の内容の推定が可能となる。講演では、このために必要な極微量分析技術の開発内容について紹介する。
原子力科学技術でイノベーションを創出
- 1. 「核図表」から知る元素の成り立ちと放射線 / 宇宙の錬金術
- 原子核の性質を核図表の観点から解説する。「放射性元素」「宇宙における元素の起源」といったキーワードを中心に、身の回りの放射線、地球に鉄が豊富な理由、ウランの存在の起源を、講演者が作成した「原子力機構核図表」を用いて紹介する。(上記からテーマを絞って講演も可能)
- 関連ページ:「1校に1枚核図表」を!原子核の世界観を届けたい| academist (アカデミスト)
サイエンスアゴラ2020
ニホニウム - 共立出版 - 2. 「ニホニウム 〜日本初の新元素の合成と発見〜」
- 日本で初めて発見された113番元素「ニホニウム」。これは原子核同士をくっつけて作られた新元素である。「元素を作る」とはどういうことか、また日本でどのようにして作られたのか。新元素探索の歴史と、113番元素合成の経緯を紹介しつつ、その成果について解説する。
- 関連ページ:ニホニウム - 共立出版
- 3. 常識を覆す:スピントロニクスの挑戦
- 情報化社会を支えるエレクトロニクス。生成AIの登場を迎え情報量の爆発的な増大に拍車がかかる現在、情報通信機器の省エネルギー化は大きな社会的課題となっている。本講演では、その対策の鍵を握る「スピントロニクス」について平易に語り、「常識を覆す」革新的新技術が創出されつつある様子を紹介する。
- 関連ページ:Spin-energy Science(解説記事ダウンロード可)
- 4. 中性子で探る原子・分子の世界
- 中性子は、核分裂とは別に、X線と並び原子スケールの構造を調べる基礎研究にも活用されている。さらに磁石の性質をもつ中性子は、原子に加え、原子レベルでの磁石の性質も調べることが出来るため、強力なネオジム磁石や超伝導体など、さまざまな磁性材料の重要な研究手段である。講演では、中性子で見える物質の姿や、それを利用した物質の機能解明と併せて、東海村にある世界でも貴重な中性子散乱施設を紹介する。
- 5. 食品の食感や保存性を決めるミクロの世界
- 水分は食品の保存中の腐敗に関係し、食品の品質を劣化させる原因となる。一方で、水分は食品にソフトで口当たりのよい食感を与える。しかし、食品中の水の物理化学的状態は不明な点が多く、これら水の役割は未解明である。最先端の中性子散乱や各種分光法では、水が食品の保存性や食感を決定付ける分子メカニズムを解明し、そのような食品の機能における水の役割を明らかにできる。講演では、水の動的挙動やガラス転移の分子ダイナミクスを直接観測できる中性子散乱などを、食品科学研究へ応用した研究を紹介する。
- 6. パルス中性子による材料強度学の研究
- 中性子の高い透過力と原子配列を見る力を活かして、中性子回折パターンに表れるBragg反射の位置・強度・プロファイルを詳細に解析することで、物質・材料の内部応力・相比・転位・集合組織など、構造材料の設計や構造物の信頼性評価に役立つ様々な情報を得ることができる。J—PARCの高強度中性子と最先端のデータ収集方法を用いれば外力負荷、温度などの環境下での種々の研究が可能となる。講演では、パルス中性子を用いた工学材料強度学の基礎から最新研究例を分かりやすく解説する。
- 7. 中性子で観る物質の構造と性質
- 物質内部の原子の並び(構造)とその物質が示す性質には密接な関わりがあり、物質の性質の起源を知る上で構造を調べることは非常に重要である。講演では、J-PARCのパルス中性子を用いた構造解析手法の解説をするとともに、中性子を用いた構造物性研究について紹介する。
- 8. パルス中性子を用いた新しい可視化技術
- 中性子イメージングは、中性子の高い物質透過力を利用して非破壊で物体の内部を観察・分析する技術です。J-PARCでは、これまでに一般的に実施されてきた中性子を用いたラジオグラフィおよびトモグラフィだけでなく、パルス中性子を活用することで結晶組織構造、温度、磁場の空間的な分布を可視化する技術を開発しています。講演では、パルス中性子を用いた新しい可視化技術について説明するとともに、その応用について広く紹介します。
- 9. 中性子散乱入門
- 中性子は高い透過力や磁石の性質を有するなど様々な特徴があり、多岐にわたる分野で中性子を用いた研究が行われている。中でも、J-PARC MLFは世界有数の中性子実験施設であり、国内外から多くのユーザーが来訪している。講演では、中性子の性質や実験手法をわかりやすく説明し、J-PARC MLFの最先端装置と研究例についても紹介する。
- 10. 中性子による分子性結晶の化学
- 単結晶中性子回折法は水素原子をはじめとした軽元素に対する感度が高いため、有機化合物や金属錯体などの分子性結晶の構造、機能の研究においては結晶中の水素原子を正確かつ確実に観察する手法として重要となる。講演では、J-PARCのパルス中性子を用いた単結晶構造解析の手法を解説するとともに、最先端の研究成果を紹介する。
- 11. J-PARC -世界最高レベルの大強度陽子加速器-
- J-PARCは、素粒子物理、原子核物理、物質科学、生命科学、原子力など幅広い分野の最先端研究を行うための陽子加速器と実験施設群の呼称で、世界最高クラスの陽子ビームによって多彩な2次粒子ビームを大量に生成し、実験に利用している。本講演では、J-PARCの加速器とその利用について、わかりやすく解説する。
- 関連ページ:J-PARCセンター
- 12. 世界最高強度の中性子の塊を作り出すために -世界最高強度のパルス中性子源の実現と運用-
- J-PARCセンターの核破砕中性子源は、様々な物質科学や生命科学の実験のために、世界最高強度のパルス中性子を生成して、実験装置に供給している。中性子生成の最適化、様々な運転設備の整備とその安定的な運転・定期的な保守、克服すべき様々な困難とその解決を経て、現在がある。この中性子源の過去、現在、未来をわかりやすく紹介する。
- 13. 加速器駆動システム(ADS)による放射性廃棄物低減のための核変換技術開発
- 原子力発電に伴い発生する高レベル放射性廃棄物の減容化や有害度低減のための大強度加速器と未臨界原子炉を組み合わせた「加速器駆動システム(ADS)」による核変換技術とともに、大強度陽子加速器施設J-PARCなどを活用した高温液体金属(鉛ビスマス)技術や陽子ビーム技術に関する研究開発の現状を紹介する。
- 関連ページ:核変換|J-PARC
核変換の研究|J-PARC
高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発
- 1. 地層処分の処分事業や安全規制を支える技術基盤をより確かなものとするための研究開発
- 原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物を地下300メートルより深い安定した岩盤に埋設し,人間の生活環境から長期にわたり隔離する最終処分方法である地層処分について,その基本的な考え方や安全確保の仕組み,研究開発の現状や今後の課題などについてわかりやすく紹介する。
- 関連ページ:原子力の廃棄物の安全な最終処分のために
研究施設等廃棄物の埋設事業の推進
- 1. 研究や医療などから発生する低レベル放射性廃棄物の埋設処分
- 全国の研究機関、大学、民間及び医療機関等から発生する低レベル放射性廃棄物(以下、研究施設等廃棄物)は、現状、長期間、保管管理がされており、今後、研究開発、放射線利用を進めるために廃棄物の地中への埋設処分が課題となっている。本講義では、研究施設等廃棄物の埋設事業の必要性、安全性、技術開発の状況等について、模型や動画を用いて説明する。
- 関連ページ:埋設事業センター
- 2. 低レベル放射性廃棄物埋設処分や原子力施設と地質学の関わり
- 低レベル放射性廃棄物埋設処分や原子力施設の立地等では、地質・地盤調査や安全性の評価において、地質学(活断層や地形、気候変動を含む地球科学)が重要な役割を果たす。これは科学技術の社会実装例である。本講義では、現場での地質学の活用事例を紹介する。
核不拡散の一層の強化と核セキュリティの向上
- 1. 核不拡散・核セキュリティを巡る国際情勢と日本の対応
- 原子力の平和利用を推進するためには、原子力安全のみならず核兵器を持つ国を増やさないための核不拡散措置と、テロリスト等から核物質や放射性物質を防護する核セキュリティ対策が必要である。講演では、核不拡散及び核セキュリティがどのように発展してきたのか、世界的にどのような脅威があるのか、どのような国際枠組みや取組みがあるのか、最新の国際動向、特に国際原子力機関(IAEA)の役割等を紹介し、核不拡散・核セキュリティの概要について理解を促進する。また、核不拡散及び核セキュリティに係る人材育成支援、核不拡散(IAEA保障措置・計量管理)や核セキュリティ技術(核鑑識・核検知等)、包括的核実験禁止条約(CTBT)国際検証体制について、原子力機構の貢献及び技術開発の動向等を紹介する。なお、ニーズに応じて講演内容は調整可能である。
- 関連ページ:ISCNホームページ
技術開発及びCTBTへの貢献
人材育成
政策研究
ISCNニューズレター
核不拡散動向

