STAGE1 地球誕生と放射線

約137億年前、ビッグバンによって宇宙が誕生し、膨張し、冷えながら、種々の元素を作り出していった。生み出された元素の中には放射性元素も数多く存在していた。元素たちは冷えて固まり、多くの星を生み出していき、ついに今から46 億年前に地球を生み出すことになる。
地球が磁場を持ち、バンアレン帯が有害な宇宙線をさえぎるようになると、宇宙線が届かない深海で誕生した生命が陸上へ進出していく。このステージでは、宇宙の誕生までさかのぼり壮大なスケールで宇宙や地球、そして生命の誕生と放射線との密接な関わりを探る。

オゾン層

地上10~50km上空の成層圏には、酸素原子3個からできた分子「オゾン」が大量に存在するオゾン層があります。このオゾン層は、有害な紫外線を吸収してくれるので、人間など多くの生命体を紫外線から守る非常に重要な役割を持っています。
バンアレン帯の形成によって有害な宇宙放射線が遮られると、浅い海にシアノバクテリアという菌が発生し、光合成でたくさんの酸素を吐き出しながら地球上の海に増殖していきました。シアノバクテリアが吐き出した酸素は海の水に溶けていきましたが、溶け切れなかった酸素は空気中に放出され、成層圏でオゾン層を形成して有害な紫外線を吸収するようになったのです。こうして、それまで海の中でしか暮らせなかった生物たちが陸の上で暮らせる環境が整いました。

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参考資料

国立環境研究所 ホームページ
田近英一 『地球・生命の大進化 -46億年の物語- 』