STAGE1 地球誕生と放射線

約137億年前、ビッグバンによって宇宙が誕生し、膨張し、冷えながら、種々の元素を作り出していった。生み出された元素の中には放射性元素も数多く存在していた。元素たちは冷えて固まり、多くの星を生み出していき、ついに今から46 億年前に地球を生み出すことになる。
地球が磁場を持ち、バンアレン帯が有害な宇宙線をさえぎるようになると、宇宙線が届かない深海で誕生した生命が陸上へ進出していく。このステージでは、宇宙の誕生までさかのぼり壮大なスケールで宇宙や地球、そして生命の誕生と放射線との密接な関わりを探る。

生命の誕生

今から約137億年前、ビッグバンと呼ばれる大爆発によって宇宙が生み出されました。
誕生したばかりの宇宙は高温の中で素粒子が飛び回る空間でしたが、宇宙が冷えていくにしたがって水素、ヘリウム、炭素など、原子番号などの軽い元素が生まれました。
その後、星の誕生や超新星爆発などを繰り返しながら鉄やウランなどの重い元素が次々と生み出され、やがて生命の活動に適した地球のような惑星が生まれたのです。

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地球生命は今から約39億年前、深海で生まれたと言われています。
原始地球の深海には熱水噴出孔という割れ目があり、ここからはメタンや硫化水素・アンモニアなどの元素が噴き出していました。
この元素が高温・高圧な周辺環境のなかで化学反応を起こし、たんぱく質の元となるアミノ酸や遺伝子物質が作られていきました。
このように、深海では様々な原始的生命が誕生したのですが、地上には宇宙からの有害な放射線が降り注いでいたため、生物が陸に上がるには、バンアレン帯と呼ばれる放射線捕捉帯の発生やオゾン層の生成によって地上に降り注ぐ放射線や紫外線が防がれるようになるのを待たなくてはなりませんでした。

参考資料

東京大学出版会 『地球生物学 地球と生命の進化』
リチャード・サウスウッド 『生命進化の物語』
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