STAGE1 地球誕生と放射線

約137億年前、ビッグバンによって宇宙が誕生し、膨張し、冷えながら、種々の元素を作り出していった。生み出された元素の中には放射性元素も数多く存在していた。元素たちは冷えて固まり、多くの星を生み出していき、ついに今から46 億年前に地球を生み出すことになる。
地球が磁場を持ち、バンアレン帯が有害な宇宙線をさえぎるようになると、宇宙線が届かない深海で誕生した生命が陸上へ進出していく。このステージでは、宇宙の誕生までさかのぼり壮大なスケールで宇宙や地球、そして生命の誕生と放射線との密接な関わりを探る。

バンアレン帯

1958年に打ち上げられたアメリカ合衆国最初の人工衛星エクスプローラー1号は、地球の磁気圏内に地表の自然放射線の1億倍以上も強い放射線帯があり、地球をとりまいていることを観測しました。発見者バン=アレンにちなんで、この放射線帯をバンアレン帯と呼んでいます。
バンアレン帯は地球の磁場にとらえられた陽子・電子からなる放射線帯で、有害な宇宙放射線を遮るバリアーの役割を果たしています。
28~27億年前、地球に磁場が発生し、あわせてバンアレン帯が生み出され、さらに大気により地球に直接降り注ぐ放射線が緩和されると、浅い温暖な海にも微生物が発生するようになりました。

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参考資料

宇宙航空研究開発機構JAXA ホームページ
名古屋大学太陽地球環境研究所 『放射線帯50のなぜ』