原子力機構メールマガジンをご愛読頂きありがとうございます。
茨城県東海村にある東海研究開発センターは、今、構内のつつじが満開です。色鮮やかな景色が散歩の目を楽しませてくれる季節を迎えています。
さて、地域交流課は、地域の皆様との窓口を担当しておりますが、このところ地域の方々に見学いただいたおりに「東海 核燃料サイクル工学研究所というと、再処理工場やMOX燃料製造の研究開発だけと思っていたが、高レベル放射性廃棄物の処理・処分研究もしていたんだ」という感想をよくいただきます。
そこで思い出したのは、私事で恐縮ですが、高知県東洋町前町長の思いを綴った本に出会い、その中で原子力推進者への意見として、「もっとわかりやいPRが必要」という言葉でした。東海研究開発センターの研究内容をもっと正確にわかりやすく説明し、皆様に理解していただけるよう心がけなければならないと、思いを新たにしているところです。
まずは、皆様のご意見、ご感想に耳を傾けることが第一歩であると考えております。これからもよろしくお願いします。
東海研究開発センター管理部地域交流課
今回の「研究開発現場から」は、産学連携推進部です。
原子力機構産学連携推進部は、
(1)共同研究や受委託等の各種研究契約の締結
(2)知的財産の取得・管理と特許等の実施許諾契約を通じた産業界への技術移転の推進
(3)原子炉や加速器等先端施設・装置の外部への供用制度の運営
という業務を行なっています。
公的資金で運営している研究開発機関にとっては、成果の実効性ある活用、具体的には産業界による実用化例を数多く積み上げることが急務です。
そのため、製品化が有望な案件については、部直轄の「実用化プロジェクト」としてこれを推進しています。一例をあげますと、これまでに核融合炉における研究分野として「四重極形質量分析計」を使った微量ガス成分の高感度分析技術の開発を行っておりました。その技術を応用し、ヒトが呼吸をするときに吐き出す息や皮膚から排泄されるガスの成分を測定し、健康状態や肌状況を知ることを目的とした呼気ガス測定装置(ブレスマス)を開発しました。また、ブレスマスの機能に電子天秤や電気炉を組み合わせ、固体金属材料中に含まれるガス不純物成分量を重量で測定する固体中含有ガス量測定装置(グラビマス)を開発、実用化しました。グラビマスは自動車用アルミ材中の不純物ガス量測定に既に使用されています。また、ブレスマスについても医療診断や香り分析等への活用が期待されています。
さらに、原子力機構の産学連携成果を常設、実演する場として、産学連携サテライトを開設しており、製品の詳細な紹介及び性能のデモンストレーションなどを行っています。
また、一年間で最大500万円までの開発費の支給と技術協力により小規模企業の商品開発を支援する「成果展開事業」については、各研究開発拠点が立地する道府県を始めとする各地の企業がこの制度を活用し商品化にこぎつけています。
原子力機構にはこのほかにも放射線利用、材料、機械工学、制御技術等広汎な分野の高度な研究成果と研究人材を保有しており、産業界による積極的活用を期待しています。
産学連携推進部ホームページ → http://sangaku.jaea.go.jp/index.html
■申し込みいただいた皆様に独立行政法人日本原子力研究開発機構の情報を配信しております。
■アドレス変更・配信停止については、以下のホームページをご覧ください。
http://www.jaea.go.jp/14/14_0.html
【編集・発行】独立行政法人日本原子力研究開発機構 広報部広報課
http://www.jaea.go.jp/
【お問い合わせ】お問い合わせフォームより → http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml
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