核燃料サイクル工学研究所について

プルトニウム燃料技術開発センター

プルトニウム燃料技術開発センターでは、再処理技術開発センターなどで回収されたプルトニウムを使い、高速炉で用いるプルトニウム・ウラン混合酸化物 (MixedOxide、通称MOX)燃料に係る技術開発などに取り組んでいます。
昭和41年1月12日、当時の原子燃料公社(現日本原子力研究開発機構)のプルトニウム燃料開発室(現プルトニウム燃料第一開発室)に米国NUMEC社よりプルトニウム260グラムが初入荷された 時点から、我が国のプルトニウム燃料の研究開発の歴史が始まりました。
それ以後、順次施設整備を図りつつ、昭和47年11月からプルトニウム燃料第二開発室で高速実験炉「常陽」燃料、昭和50年7月から新型転換炉「ふげん」燃料、平成元年10月からプルトニウム燃料第三開発室で高速増殖原型炉「もんじゅ」燃料の製造を開始し、これらの燃料製造を通してMOX燃料の量産技術の開発、自動化設備の開発を進めるとともに、検査技術、分析技術等の開発、MOX燃料の品質保証システムの整備などを進め、MOX燃料製造技術体系を確立してきました。
これまでに製造したMOX燃料の累計は、 その他の試験用燃料などと合わせて、約173トンMOX(内プルトニウムが約7トン含まれる)になります。

プルトニウム燃料第一開発室

昭和40年の開室以来、プルトニウム燃料第一開発室ではMOX燃料に関する「基礎物性」「燃料設計」「MOX燃料製造技術」などの研究・開発を行ってきました。ここで得られた研究成果と経験は、プルトニウム燃料第二開発室およびプルトニウム燃料第三開発室の燃料製造設備や燃料製造技術に反映しています。
また、プルトニウム燃料第一開発室で製造した様々なタイプのMOX燃料は、高速実験炉「常陽」をはじめとする照射炉で健全性確認や性能評価のための各種試験に用いられてきました。

                                                                                                現在、プルトニウム燃料第一開発室では、高速炉用MOX燃料の性能および経済性を向上させるための研究開発を進めています。また、これまでのMOX燃料に関する研究成果と経験を活かし、東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置に向けた燃料デブリの基礎物性に関する研究、日本原燃(株)のMOX燃料加工事業に関する技術協力などを行っています。

プルトニウム燃料第一開発室
プルトニウム燃料第一開発室

プルトニウム燃料第二開発室

プルトニウム燃料第二開発室は、昭和47年に完成し、以来、高速実験炉「常陽」及び「重水臨界実験装置(DCA)」、並びに新型転換炉「ふげん」などに供給するMOX燃料の製造を行ってきました。

FBRラインでは、昭和63年にプルトニウム燃料第三開発室が完成するまでの間、「常陽」MK-Ⅰ増殖炉心及びMK-Ⅱ照射炉心の燃料製造を行いました。またATRラインでは、「DCA」用燃料、「ふげん」用燃料及び敦賀1号炉の「プルサーマル照射用燃料」などの製造を行いました。

平成13年11月をもって、プルトニウム燃料第二開発室におけるMOX燃料の製造は終了し、現在は施設内に保管している核燃料物質を再利用するための回収処理作業、使用を終了した設備の解体撤去などを行っています。

プルトニウム燃料第二開発室
プルトニウム燃料第二開発室

プルトニウム燃料第三開発室

プルトニウム燃料第三開発室は、MOX燃料製造の経済性の向上及び運転員の被ばく低減のため、世界に先駆けて開発した遠隔・自動運転によるMOX燃料製造技術開発を採用し、昭和63年に完成して以来、高速実験炉「常陽」及び高速増殖原型炉「もんじゅ」用のMOX燃料製造を通してMOX燃料の量産技術の開発・実証を進めてきました。

MOX燃料製造の経済性及び安全性を向上させるため、内装設備のコンパクト化、高速処理化を図るとともに、プルトニウムの設備内滞留を防ぐ粉末飛散防止機構を備えた設備の開発を進めました。また、プルトニウム燃料第三開発室は、プルトニウム燃料第一開発室及びプルトニウム燃料第二開発室よりも大型の施設で大量のプルトニウムを扱うこと、かつ遠隔自動運転を行うことから、核物質の計量管理及びこれを検認する保障措置について施設運転と整合の取れたシステムの開発が必要となり、リアルタイムで核物質の流れ及び在庫を把握できる計量管理システムを導入するとともに、米国エネルギー省との協力の下に査察側の検認システムの開発を行いました。

プルトニウム燃料第三開発室
プルトニウム燃料第三開発室

    

プルトニウム廃棄物貯蔵施設・第二プルトニウム廃棄物貯蔵施設

MOX燃料の製造施設などから発生する固体廃棄物のうち、プルトニウムで汚染されているものは、プルトニウム系固体廃棄物となり、その性状により「可燃性」「難燃性」「不燃性」に区分し、ビニール梱包して専用のドラム缶やコンテナに収納しています。

プルトニウム廃棄物貯蔵施設や第二プルトニウム廃棄物貯蔵施設は、専用のドラム缶やコンテナに収納された廃棄物を安全に、適切に保管・管理するための施設です。
第二プルトニウム廃棄物貯蔵施設は、遠隔自動制御による無人フォークリフトを配備するなど、プルトニウム廃棄物貯蔵施設などで得られた経験を基に、平成11年から運用を開始しました。

プルトニウム廃棄物貯蔵施設
プルトニウム廃棄物貯蔵施設

第二プルトニウム廃棄物貯蔵施設
第二プルトニウム廃棄物貯蔵施設

プルトニウム廃棄物処理開発施設

MOX燃料の製造施設などから発生する固体廃棄物のうち、プルトニウムで汚染されているものはプルトニウム系 固体廃棄物としてプルトニウム廃棄物貯蔵施設などに適切に保管・管理しています。一方、昭和62年からプルトニウム廃棄物処理開発施設において、焼却・溶融などの減容安定化処理の実証試験を実施し、 プルトニウム廃棄物処理設備としての技術評価や処理プロセス高度化のための技術開発を実施してきました。平成14年より運転を始めた第2難燃物焼却設備は、難燃性のプルトニウム系固体廃棄物の焼却処理を実証している世界で唯一の設備であり、現在も焼却処理実証試験を継続しています。

プルトニウム廃棄物処理開発施設
プルトニウム廃棄物処理開発施設