4_5 理解醸成活動
恵まれた交通利便性

瑞浪超深地層研究所が所在する岐阜県瑞浪市は,本州の中央部に位置し,JR中央本線,中央自動車道,国道19号線が市内を通り,名古屋から1時間圏内であることから,新幹線および中部国際空港との接続も良く,交通利便性に恵まれています(図1)。さらに本研究所は,最寄りのJR瑞浪駅から車で5分,中央自動車道・瑞浪インターから車で3分と市街地に隣接しており,全国の主要都市から日帰りでの見学が可能でした(図2)。そのため,全国から毎年2500名前後の方々が研究所の見学に訪れました(図3)。

瑞浪市への所要時間は次のとおり。札幌からは航空機利用で約5時間。青森からは新幹線利用で約7時間,航空機利用で約5時間。仙台からは新幹線利用で約5時間。東京からは新幹線利用で約3時間。名古屋からはJRで約50分。新潟からは新幹線利用で約5時間。大阪からは新幹線利用で約2時間。高知からは航空機利用で約3時間。福岡からは新幹線利用で約4.5時間,航空機利用で約3時間。鹿児島からは新幹線利用で約6時間,航空機利用で約3時間。那覇からは航空機利用で約4時間。
図1 全国の主要都市からの所要時間
図2 瑞浪超深地層研究所の位置と交通アクセス図
見学者数は次のとおり。平成14年は103人。平成15年は556人。平成16年は2,518人。平成17年は2,791人。平成18年は2,112人,うち入坑見学者数は943人。平成19年は3,323人,うち入坑見学者数は1,063人。平成20年は3,294人,うち入坑見学者数は1,566人。平成21年は3,701人,うち入坑見学者数は1,786人。平成22年は3,295人,うち入坑見学者数は2,313人。平成23年は2,565人,うち入坑見学者数は1,812人。平成24年は2,231人,うち入坑見学者数は1,791人。平成25年は2,637人,うち入坑見学者数は1,754人。平成26年は2,514人,うち入坑見学者数は1,692人。平成27年は2,714人,うち入坑見学者数は2,172人。平成28年は2,732人,うち入坑見学者数は1,703人。平成29年は2,725人,うち入坑見学者数は2,181人。平成30年は1,414人,うち入坑見学者数は501人。令和元年は2,080人,うち入坑見学者数は1,612人。
図3 見学者数の推移(年度別)
地下研究所における理解醸成活動

瑞浪超深地層研究所では,一般の方を対象として,毎月1回,週末に開催する見学会の他に,平日(月・水曜日,要予約)にも地上施設や研究坑道の見学を行いました。施設見学では,地層処分の安全確保の考え方などの地層処分の概要や研究所で実施してきた研究内容や成果について紹介しました(図4)。研究坑道内では各研究現場を見てもらうとともに,実際に岩盤や地下水に触れていただくとともに,地下深部の岩盤や地下水の状態,地震時の振動が地表に比べて小さい等の地下深部の地質環境の特徴を説明し,地下深部の地質環境がどのような場所であるかを体感していただきました(図5)。その結果,見学の前後において地層処分の必要性や安全性に関する理解が10ポイント以上向上しているなど,理解醸成における地下研究所の有効性が確認されました(図6)。また,地域の方々との交流の場としてのサイエンスカフェや,夏休みなどを利用した小学生の科学体験イベントなどを開催して,地域との共生に努めました(図7)。

図4 見学前の概況説明
坑道内でつなぎとヘルメットを着用した見学者が案内者の説明を聞いている。
図5 研究坑道の見学(深度500m)
見学者の地層処分の必要性と地層処分の安全性についての安心感は見学前と比較するとともに増加した。
図6 見学時のアンケート結果
左:スクリーンのイラストを講師が説明している。右:子供たちが岩石を調べている。
図7 左:サイエンスカフェ,右:科学体験イベント

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