4_4 国際連携・貢献
瑞浪超深地層研究所における国際協力の実績

超深地層研究所計画の初期段階では,地層処分計画が先行している欧米諸国からの技術導入を主たる目的として,スイス放射性廃棄物処分共同組合(Nagra)および米国サンディア国立研究所(SNL)との国際共同研究や,スウェーデン原子燃料廃棄物管理会社(SKB),カナダ原子力研究所(AECL),英国地質調査所(BGS)などからの国際特別研究員の受け入れなどを行いました。研究所計画の第2段階からは,技術支援を主たる目的として,韓国原子力研究所(KAERI)と研究協力協定を締結し,両機関の地下研究所計画に関する技術情報の交換および研究者の受け入れなどを継続的に実施しました。

本研究所では,平成25年に国際原子力機関(IAEA)主催の「地層処分基礎講習会」が開催され,世界13ヵ国の研究者・技術者が参加しました(図1)。平成30年と令和元年の二か年には,韓国電力公社国際原子力大学院(KEPCO International Nuclear Graduate School:KINGS)と連携して,「地質環境調査に関する技術研修会」を開催し,韓国の若手技術者・研究者の育成に貢献しました。令和元年には,原子力分野における人材育成・技術継承を目的とした,バックエンド部会主催の「瑞浪超深地層研究所における地質環境特性調査に関する研修」が開催され,若手技術者が坑道周辺岩盤の地質環境特性の調査や評価の考え方や方法を体験しました。

また,平成28年から平成31年の4年間は,本研究所で実施した再冠水試験を題材とした水‐応力‐地化学連成解析技術の実証が国際共同研究である「DECOVALEX 2019」のテーマの1つに採択され,日本,米国,チェコの3ヵ国の研究機関で共同研究が実施されました(図2)。

日本は,プレートの沈み込み帯という地質学的変動帯に位置することから,日本が構築した地層処分技術や地質環境に関する知見などは,安定大陸に位置する欧米諸国からは得られない貴重な情報であり,特に日本と同様な地質環境を有する国々には,極めて有用な先行事例となりました。

IAEA主催地層処分基礎講習会の画像
図1 IAEA主催地層処分基礎講習会
DECOVALEX 2019の参加国メンバーの画像
図2 DECOVALEX 2019の参加国メンバー

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