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減速型基準移行用中性子測定器の開発

目的pageTop

中性子線量計はエネルギー特性が良好でないため、実作業場に近い連続スペクトルを有する中性子場で校正されることが必要です。このような連続スペクトルを有する校正場のトレーサビリティを確立するためには、広いエネルギー範囲で測定が可能な基準測定器が必要となります。ところが、従来の基準測定器は使用エネルギー範囲が限定されております。そこで、幅広いエネルギー範囲の中性子に一つの測定器で対応できる新しい基準測定器を開発しています。

設計中の減速型基準移行用中性子測定器の概念図pageTop

現在開発中の測定器は、円筒型の減速材とその中心軸にある検出位置型熱中性子検出器で構成され、減速材構造に様々な工夫を加えることにより中性子のエネルギー弁別性能を向上させています。図中には中性子輸送計算コードMCNP-4Bで計算した中性子の挙動も同時に示しています。


図1:測定器の概念図

中性子エネルギー弁別性能の向上の例pageTop

上図が単純なポリエチレン減速材のみの時の測定器の応答、下図が工夫を行った減速材の場合の測定器応答です。減速材をポリカーボネートとポリエチレンを組み合わせる、熱中性子吸収用Cd板を設置する等の工夫により、100keV以下のエネルギー領域の中性子に対するエネルギー弁別性能が向上していることがわかります。

今後の予定pageTop

今回設計した減速材構造を基に基準移行用中性子測定器を試作し、その特性評価を行ってゆく予定です。

参考文献pageTop

  • 谷村 嘉彦 他, JAERI-Conf 2003-002,65-72 (2003)

特許情報pageTop

出願番号: 特許出願2001-253812
出願日: 2001年8月24日
公開番号: 特許公開2003-66181
公開日: 2003年3月 5日
出願人: 日本原子力研究所
発明者: 谷村 嘉彦 外3名
発明の名称: 減速型中性子スペクトル測定器の減速材構造
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