中性子線量計はエネルギー特性が良好でないため、実作業場に近い連続スペクトルを有する中性子場で校正されることが必要です。このような連続スペクトルを有する校正場のトレーサビリティを確立するためには、広いエネルギー範囲で測定が可能な基準測定器が必要となります。ところが、従来の基準測定器は使用エネルギー範囲が限定されております。そこで、幅広いエネルギー範囲の中性子に一つの測定器で対応できる新しい基準測定器を開発しています。
上図が単純なポリエチレン減速材のみの時の測定器の応答、下図が工夫を行った減速材の場合の測定器応答です。減速材をポリカーボネートとポリエチレンを組み合わせる、熱中性子吸収用Cd板を設置する等の工夫により、100keV以下のエネルギー領域の中性子に対するエネルギー弁別性能が向上していることがわかります。