レーザー駆動中性子源
中性子共鳴分析法では、試料にパルス中性子を照射し、試料中の原子核と共鳴反応を起こす中性子エネルギーを飛行時間(Time-of-Flight: TOF)法により計測することで、核物質の測定を行います。非破壊分析装置の小型化を目指して行った、レーザー駆動中性子源(Laser-Driven Neutron Source: LDNS)を用いた中性子共鳴透過分析(Neutron Resonance Transmission Analysis: NRTA)システムの開発では、ISCNで開発したNRTAシステムと大阪大学で開発したLDNSを用いて透過中性子測定実験を行い、核物質を模擬した試料の識別が可能であることを示し、LDNSをNRTAに適用することで従来よりも小型な非破壊分析装置の実現が期待できることを実証しました。
参考文献
- J. Lee et al., Designs and neutronic characteristics of an epithermal neutron moderator at ambient temperature for neutron time-of-flight measurements, J. Nucl. Sci. Technol. 59, (2022) 1546-1557.
- A. Yogo et al., Laser-driven Neutron Generation Realizing Single-Shot Resonance Spectroscopy, Phys. Rev. X. 13, 011011 (2023).
- 10-1 核物質計量管理のための非破壊分析装置の小型化を目指して | 原子力機構の研究開発成果2022-23
- 発見!レーザーで中性子を発生する新法則 ―1千万分の1秒の瞬間で元素を透過識別する装置がコンパクトに―|日本原子力研究開発機構:プレス発表

大阪大学の LDNSを用いた
透過中性子測定実験の概要図