核不拡散
核拡散は、核兵器を保有する国(またはグループ等)が増えることを意味する水平拡散と、核兵器を保有している国の核兵器の量が増える垂直拡散があります。
核不拡散は、兵器を保有する国(又はグループ等)を増やさず、また核兵器を保有している国は、核兵器の量の増加の抑制及び減らすことを意味します。
核兵器という観点のみでなく、原子力の平和利用に向けた活動においても核不拡散という言葉は使われます。現在、石油資源の枯渇や二酸化炭素排出問題など、様々なエネルギー供給の課題があります。ウラン235やプルトニウムは、核兵器の原料としても使われますが、原子力発電の燃料として使用することにより莫大なエネルギーを得ることができます。そこで、原子力の平和利用の促進という観点から、ウラン235やプルトニウムを取り扱う場合には、その取り扱いが平和目的のみに行われているということを明確に示していかなければなりません。これを核不拡散対応と呼んでいます。
日本では、核兵器の不拡散に関する条約(NPT)、IAEAによる保障措置、核物質防護条約、二国間原子力平和利用協定そしてロンドン・ガイドラインのような国際的な約束をして核不拡散対応を行っています。
国際的にはIAEAまたは他の国際的監督下に置かれる、多国間または地域燃料サイクルセンター、国際プルトニウム貯蔵などのような新たな形態の制度の検討なども行われています。
日本原子力研究開発機構では、プルトニウム利用の研究開発を行う際の透明性の向上、遠隔監視技術などの核拡散の防止に役立つ研究開発、核拡散抵抗性技術などの核不拡散対応を進め、核不拡散疑念の払拭、国際的理解の獲得に努めています。