開催趣旨・内容

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、原子力平和利用の推進に不可欠な核不拡散・核セキュリティに関する理解の増進を目的として、毎年、国際フォーラムを開催しております。本フォーラムでは、各国の政府関係者や核不拡散・核セキュリティの専門家による、その時々における情勢及び注目される話題に焦点を当てた講演やパネルディスカッションを通じて、原子力平和利用と核不拡散・核セキュリティに係る種々の課題や方策について理解を深めるとともに、我が国及び原子力機構の核不拡散・核セキュリティへの取組を紹介しています。
この度のフォーラムでは、昨年度と同様に公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻及び国立大学法人東京工業大学科学技術創生研究院先導原子力研究所との共催の下、本年3月末に米国ワシントンで開催された第4回核セキュリティ・サミットの終了を受けて、今後も核セキュリティ強化のモメンタムを維持していくための具体的な方策や、アジア地域の核セキュリティ強化に関し、相手国や組織のニーズに合致した効果的な人材育成・能力構築支援COEの活動方策について議論いたします。また、米国のオバマ大統領が本年5月末に広島を訪問するなど、日本国内では核兵器廃絶核軍縮に向けた関心が高まっている中、その機運を維持し、日本が核軍縮に関し貢献できる点について、非核兵器国の核軍縮検証作業に参加する意義、その枠組み等の方策及び核軍縮に関わる技術的な方策について議論いたします。
開催概要
- 開催日時:
- 平成28年11月29日(火) 10:00〜17:35
- 開催場所:
- 時事通信ホール(東京都中央区銀座5-15-8 時事通信ビル2階)
- http://www.jiji.com/hall/access.html
- 主催:
- 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
- 共催:
- 公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター
- 国立大学法人東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻
- 国立大学法人東京工業大学科学技術創成研究院先導原子力研究所
- 料金:
- 無料(事前申込制)
- 言語:
- 日本語・英語(同時通訳あり)
プログラム
※プログラムの一部、講演者及びパネルディスカッション参加者については変更となる可能性がありますことご了承願います。
平成28年11月29日(火) 10:00〜17:35
開会挨拶、基調講演及び基調報告 10:00〜12:00
開会挨拶
- 児玉 敏雄 日本原子力研究開発機構 理事長
基調講演
- 「ポスト核セキュリティ・サミットの国際的な核セキュリティ強化への取組」
- コーリー・ヒンダースタイン 米国エネルギー省国家核安全保障庁(DOE/NNSA) 核セキュリティ・サミット・不拡散政策担当上級調整官
- 「我が国の核軍縮・不拡散への取組みと今後の展望」
- 相川 一俊 外務省 軍縮不拡散・科学部長 大使
基調報告
- 「核不拡散・核セキュリティに係る機構の活動と国際貢献」
- 持地 敏郎 日本原子力研究開発機構 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター長
パネルディスカッション1 13:00〜15:00
「ポスト核セキュリティ・サミットの国際的な核セキュリティ強化のモメンタム維持と、今後の人材育成・能力構築支援COEの活動」
- 座長
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- アニタ・ニルソン 元国際原子力機関(IAEA) 核セキュリティ部長
- パネリスト
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- ヘンドリヤント・ハディジャハヤノ インドネシア原子力規制庁(BAPETEN) 秘書官
- コーリー・ヒンダースタイン 米国エネルギー省国家核安全保障庁(DOE/NNSA) 核セキュリティ・サミット・不拡散政策担当上級調整官
- スン・スク・チャン 韓国核不拡散核物質管理院(KINAC) 物理的防護部 主任研究員
- マリア・エウジェニーア・レットーリ 国連地域間犯罪司法研究所(UNICRI) CBRNリスク低減・安全保障管理、戦略・企画・対外協力 上級研究員
- 直井 洋介 日本原子力研究開発機構 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター 副センター長
- 概要
- コーリー・ヒンダースタイン核セキュリティ・サミット・不拡散政策担当上級調整官による基調講演を踏まえ、2010年〜2016年まで計4回開催された一連の核セキュリティ・サミット終了後においても、核セキュリティ強化のモメンタムを維持していくための具体的な方策と、アジア地域の核セキュリティ強化に係り、相手国や組織のニーズに合致した効果的な人材育成・能力構築支援COEの活動方策について議論いたします。
パネルディスカッション2 15:30〜17:30
「核兵器のない世界へ−我が国の核軍縮への貢献−」
- 座長
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- 村上 顯樹 外務省 軍縮不拡散・科学部軍備管理軍縮課長
- パネリスト
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- オリ・ハイノネン ハーバード大学ケネディ行政大学院 上級研究員/Foundation for Defense of Democracies 科学・核不拡散シニア・アドバイザー/元IAEA事務次長
- コーリー・ヒンダースタイン 米国エネルギー省国家核安全保障庁(DOE/NNSA) 核セキュリティ・サミット・不拡散政策担当上級調整官
- アンドリアス・パースボ 検証研究・訓練・情報センター(VERTIC) 事務局長
- オレ・ライスタッド ノルウェーエネルギー技術研究所 原子炉運転部門長
- 富川 裕文 日本原子力研究開発機構 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター 技術開発推進室長
- 概要
- 米国のオバマ大統領が本年5月末に広島を訪問するなど、日本国内では核兵器廃絶に向けた関心が高まっています。一方、世界に目を向けると米露間の新STARTが締結されたこと以外、核軍縮は余り進んでいないのが現実です。唯一の被爆国である我が国は、核兵器のない世界に向けた取組を積極的に行っており、原子力機構においても、CTBT国際検証体制の確立に長年にわたり貢献してきていると共に、2015年米国がイニシアティブをとって開始した、核軍縮検証のための国際パートナーシップ(IPNDV)に検証技術の面で支援を行っています。核兵器廃絶に向けた機運を維持し、日本が核軍縮に関し貢献できる点について、非核兵器国の核軍縮検証作業へ参加する意義、その枠組み等の方策及び核軍縮に関わる技術的な貢献策について議論いたします。
閉会挨拶 17:30〜17:35
- 遠藤 哲也 公益財団法人日本国際問題研究所 特別研究員
- 吉田 信之 日本原子力研究開発機構 理事