核セキュリティに関するセミナー(ベトナム)
- タイトル
- 核セキュリティに関するセミナー(ベトナム)
- 開催期間
- 2015年5月27日〜5月29日
- 開催場所
- ベトナム/ニントアン(ベトナム国営電力原子力発電プロジェクト委員会(EVNNPB)の事務所)
- 共催
- ベトナム科学・技術省(Ministry of Science and Technology: MOST)共催
ベトナム放射線防護・原子力安全庁(Vietnam Agency for Radiation and Nuclear Safety: VARANS)、及び、国際原子力開発(JINED)の協力 - 参加者数
- 44名
概要
ベトナムの新規原子力サイトであるニントアンにおいて、核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)は、ベトナム国営電力(EVN)、ベトナム国営電力原子力発電プロジェクト委員会(EVNNPB)と標記セミナーを開催した。
今回のセミナーは事業者側(EVN)のトレーニングに重点を置いたもので、核セキュリティの基本的事項に係る導入的な紹介を行った。このためセミナーへは、EVN本社、EVNNPBの他、ニントアン省人民会議、地元の省、市、国境警護関連の関係者が44名出席した。日本からは、ISCN、国際原子力開発(JINED)、核セキュリティ専門家(米SNL)が出席した。
基調講演として①原子力プラント運転員の人材育成(JINED)、②核セキュリティに関する国際的な動向(ISCN)、③ベトナムの核セキュリティに係る法体系(VARANS)、④ニントアンサイトにおける核セキュリティ強化の状況(EVN)の4つの報告がなされた。
セミナーは、3部構成で2日間に渡って行なわれた。第1部では、国の核セキュリティ体制を考えていく上で基盤となる「国、所轄官庁及び事業者の役割と責任」についての講義を行った。第2部では、「物理的防護システム(PPS)に関する基礎知識」、第3部では、「核セキュリティに係る内部脅威やコンピューターセキュリティ」等のより踏み込んだ講義を行った。
今回のセミナーは、事業者側を主な対象とし、予定通りの参加者で行われ、さらに核セキュリティの特徴として多くの省庁、特に公安機関の参加が得られたことはセミナーの趣旨に沿うものであった。また、これまで参加者の立場で参加したことが多かったベトナムの規制当局も今回、原子力建設の現地で指導的な立場でトレーニングに関与できた。このことは、今回のトレーニングがベトナムの規制当局のセキュリティ分野におけるアウトリーチとして位置づけられ、今後のベトナム国内での展開が期待される。