核セキュリティに関するセミナー(ベトナム)
- タイトル
- 核セキュリティに関するセミナー
- 開催期間
- 2014年7月1日〜7月2日
- 開催場所
- ベトナム/ハノイ
- 共催
- ベトナム科学・技術省(Ministry of Science and Technology: MOST)
- ベトナム放射線防護・原子力安全庁(Vietnam Agency for Radiation and Nuclear Safety: VARANS)、及び
- ベトナム産業貿易省(Ministry of Industry and Trade: MOIT)との共催、国際原子力開発(JINED)の協力
- 参加者数
- 24名
- 概要
ハノイ市内ホテルにおいて、核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)は、ベトナム科学省(MOST)/VARANS、エネルギー省(MOIT)と標記セミナーを開催した。
ベトナム側からVARANSより副局長、核物質管理部長、ベトナム電力公社 ニントゥアン原子力発電プロジェクト運営委員(EVNNPB)副委員長等、24名が出席した。日本からはISCN職員4名、JINED業務執行取締役、米サンディア国立研究所の専門家が参加した。
基調講演として核セキュリティに係る国際的な動向(ISCN)、JINEDのベトナム人材育成に係る活動(JINED)、ベトナム原子力プラントの進行状況(EVN)が各担当から報告された。特にEVNの報告では種々の情報が含まれる有意義なものであり、ベトナムの原子力開発の現状に関する理解が進んだ。
さらに、核セキュリティに係る国際的なガイドライン、及び法体系の説明(ISCN)が有り、続いて、ベトナム(VARANS)、日本(ISCN)の双方の核セキュリティ体制構築に関する経験が共有された。
2日目は、PPSの定義・設計・評価に係る概論を半日でコンパクトに示すもので、情報量としては極めて密なプログラムであり真剣な講義・質問応答が行われた。
最後のラウンドテーブル討議では、PPS強化のための取り組み、今後の協力できる点について日・越・米からパネリストを選定し議論を行った。ベトナムの現在の規制体制の状況として、事業者のPPS設計のための規制作成、設計の評価手法の開発等が課題であり、規制側の検査官に対するトレーニングの必要性が示された。さらに運転側であるEVNからは、今回のセミナーでEVNの事業者としての役割を強く認識した旨の発言があった。SNLからは、施設設計時にセキュリティを考慮する「Security by Design」が重要であり、また3S分野及び施設運転の関係者がPPS設計の議論には関与すべきであるという指摘があった。
EVNの現場においては、PPSの設計・評価がかなり喫緊の実際的な問題として認識されている様子がうかがわれ、核セキュリティの基礎的なトレーニングは一定の効果が期待できると認識されたことは今後の両国の協力に有意義であった。