内部脅威対策に係るトレーニングコース
- タイトル
- 内部脅威対策に係るトレーニングコース
- 開催期間
- 2014年4月7日 ~ 11日
- 開催場所
- 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)(東海村)
- 共催機関
- 国際原子力機関(IAEA)
- 参加者数
- 19名
- 概要
2014年4月7日-4月11日の期間、「内部脅威対策に係るトレーニングコース」を国際原子力機関(IAEA)との共催で実施した。
目的は、IAEA加盟国が、自国の核物質の盗取、原子力施設及び核物質に対する妨害破壊行為、サイバー攻撃等の内部脅威に対する防護システム及び対応施策を導入・評価できるよう、各国の原子力発電・規制業務従事者に対し、内部脅威の防止及び削減に係る知識を習得する事である。講義では、内部脅威者の定義・目的や標的の特定といった基礎を学び、内部脅威者からの防護手段・緊急時対応計画等を学んだ。更に、早急な対応が求められているサイバーセキュリティの講義や、内部脅威に関する事例紹介も行った。今回は、IAEA加盟国の内19か国から規制当局・警備当局等政府機関、電力事業者36名が参加した。
本トレーニングは、①IAEAおよび核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の講師による講義、②4グループに分かれての演習、③ISCNが所有する2施設での講義・演習から構成されている。参加者は、学んだ内容に対応したグループ演習を講義終了毎に行い、内部脅威対策に関する知識習得に努めた。グループ単位で行う演習形式についても、具体例を挙げた演習を用いていた事で、深く講義内容を理解できたと好評を得た。
また、講義内容の理解促進のために、バーチャルリアリティ(VR)システムの見学及び核物質防護実習フィールドを使った講義も行った。1つ目の施設であるVRは、3Dの画像を用いて、バーチャル空間に仮想の原子力発電所を構築したもので、施設・設備を視覚的に表現する事が出来る事から、講義内容の理解促進に貢献している。2つ目の施設である核物質防護実習フィールドは、実際の発電所で使用されているセンサーやフェンス、カメラ、警報評価システム等の実機を配備しているため、核物質防護について実践的な知識を得る事が出来る利点がある。
効果的な内部脅威対策を講じるためには、物理的防護機器の性能・脆弱性を正しく学び、想定される内部脅威シナリオの解析を行う事が効果的である。これにより、内部脅威に関係する事象の発生や、実際に起きた場合の影響を最小限に抑える事が可能と考えられる。