核物質及び原子力施設の物理的防護に係る国内トレーニングコース
- タイトル
- 核物質及び原子力施設の物理的防護に係る
国内トレーニングコース - 開催期間
- 第一部:2013年9月19日〜20日
- 第二部:同年10月16日〜18日
- 第三部:同年11月20日〜22日
- 開催場所
- 核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)(東海村)
- 参加者数
- 22名
講義風景
概要
サブグループ演習
核物質防護実習(PP)フィールド
核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)は、国内の核物質防護及び核セキュリティに関わる専門家を対象とした「核物質及び施設の物理的防護に係るトレーニングコース (三部構成)」を実施した。国内の電力事業者、原子力関係者を中心に、核物質防護業務に関連する22名が参加した。
第一部では、「物理的防護システム (PPS)の要件」をテーマに、原子力施設の特性評価、攻撃目標の特定、脅威の定義、リスク管理について講義を行い、物理的防護を学ぶ上で基礎となる概要を中心に学んだ。また、理解を深める事を指向して、各講義の後に7-8名ずつのサブグループに分かれて演習を行った。更に、仮想の原子力施設を3Dで3面のスクリーンに表現することができるバーチャルリアリティ・システム(VR) を取り入れた講義も行った。VRは、施設の特性評価、脅威の定義を学ぶ際に有益なだけでなく、実際の原子力施設を訪れた事が無い参加者には原子力施設のイメージを把握する意味で非常に有意である。近年、原子力関連施設のセキュリティが強化されている事から、実施設を用いての学習や見学は難しい状況にあるため、VRは核物質防護を学習する上で非常に有効なツールとなっている。
第二部では、「PPSの設計」を学ぶことをテーマに、PPSの構成機器・システムの基本的な性能・技術を中心に講義を行い、その後サブグループによる演習を行った。さらに、「核物質防護実習(PP)フィールド」にてセンサー・カメラ・フェンス等の実機を用いた実習や、入退室管理の実習等を実施した。このPPフィールドには、実際の原子力発電所で使用されている核物質防護機器が設置されている事から、核物質防護を学ぶ上で非常に有意であると思われる。
第三部では、「PPSの評価」として、敵対者の経路解析、無力化解析、シナリオ解析について学んだ後、参加者は第一部から第三部で得た知識を使って仮想の原子力研究施設のPPSを設計・評価する最終演習を行った。最後は、各サブグループによる最終演習結果の発表を行い、各グループの提案について講師陣から参加者まで含めて全員で議論を行った。参加者からは、「フィールドを用いての実習は非常に有意義であった、各部の復習を一日の初めに行うため知識の定着が良かった、講義内容全体に習熟し解析評価をする上で大変役立った等の感想が寄せられた。