ISCN-WINSワークショップ
- タイトル
- ISCN-WINSワークショップ「核セキュリティの強化に向けたコーポレート・ガバナンス」
- 開催期間
- 2012年3月5日〜3月6日
- 開催場所
- 学士会館(東京)
- 参加者数
- 50名
概要
2012年3月5-6日、核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)は、世界核セキュリティ協会(WINS)との共催ワークショップ「核セキュリティの強化に向けたコーポレート・ガバナンス」を開催した。本ワークショップでは、国内の原子力事業者を中心に政府関係者も多く出席し、核セキュリティに関する事業者の役割と責任、平時からの事業者と警備当局等との連携・協働の重要性等について議論を行った。
WINSは2008年に設立された国際NGOであり、核セキュリティのベスト・プラクティス共有のための国際的なフォーラムとして、様々なワークショップを世界各地で行っている。2010年9月に開催されたWINSワークショップに引き続き、今回が日本での第二回目の開催となった。
本ワークショップの最大の特徴は、WINSによる「劇場型セッション」である。「劇場型セッション」とは、特定のシナリオに基づいた事象の一場面を演劇で実演し、それを基に参加者がディスカッションを行うものであり、WINSに特有のセッションである。
演劇風景
初日は、架空の都市の原子力発電所長と地元警察長官の会話を二人の俳優がそれぞれ演じた。二人の会話からは、二人の間に相互信頼関係が欠如していること、脅威認識を共有していないこと、互いに自分の立場しか考慮していないこと等の様々な課題が浮かび上がり、参加者はファシリテータのリードによってグループ・ディスカッションを行い、課題や改善点につきて意見を交わした。
翌日のセッションでは、原子力発電所から核物質が盗まれ、所長あてに脅迫状が届く場面を演劇で実演した。シナリオでは、内部脅威者の存在が仄めかされている。所内ではトラブルを避けたい自己保身の一心から、脅迫状を偽物として処理するが、最終的に内部脅威者の犯行だったことが判明する。参加者は、自分の組織の意思決定プロセスはどうであるか、改善すべき点はどこか等について、積極的に議論を行った。
参加者からは、一般的な講演やプレゼンテーションと違い、より現実的な内容で危機感を覚えた、俳優の息遣い等から緊迫感も感じられ、インパクトがあった、具体的な議論に繋げることができて有益であった等のコメントが寄せられ、大変好評であった。
会場風景
ファシリテータによる進行