平成30年8月31日(金)更新
東立坑の坑底(深度380m)では、水圧擾乱試験*1および物質移行試験*2を行うために、2本のボーリング孔(鉛直孔)を掘削し、(平成28年11月4日掲載記事、平成28年4月22日掲載記事など参照)、水理試験等を行ってきました(平成29年6月2日掲載記事、平成28年6月24日掲載記事参照)。
今回は、断層の周囲に分布する複数の割れ目中の物質(トレーサー)の動きや拡がり方を把握するために、平成30年8月27日から2本のボーリング孔を利用した物質移行試験を開始しました。写真1は今回の試験に使用するトレーサー溶液(ウラニン溶液)を調整している様子、写真2は物質移行試験中に取得される各種データ(水圧、流量、トレーサー濃度など)を確認している様子です。
今後は、同じ区間を対象とした水圧擾乱試験後に、再度、物質移行試験を行い、水圧擾乱試験前後での物質(トレーサー)の動きや拡がり方の変化を確認していく予定です。
*1 水圧擾乱試験とは…
通常よりも高い注入圧を用いて、一時的な水圧上昇が割れ目の水理特性に与える影響を確認する試験です。
*2 物質移行試験とは…
地下環境で物質がどのように移行するのかを調べるために、地下水にトレーサー(目印として混ぜる染料やその他の薬品)を流し、トレーサーが流れる方向や時間などを調べる試験です。なお、幌延深地層研究センターでは、トレーサーには一般的な試薬を用い、放射性トレーサーを利用した試験を行うことはありません。
*3 水理試験とは…
岩盤中の水の流れ易さなどを調べる試験です。
写真1 トレーサー溶液(ウラニン溶液)を調整している様子
写真2 各種データ(水圧、流量、トレーサー濃度など)を確認している様子
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