深地層研究計画の状況

平成26年5月の調査研究の状況

平成26年5月30日(金)更新

人工バリア性能確認試験-プラグコンクリートの試験練り

深度350m調査坑道( 試験坑道4 )で実施する人工バリア性能確認試験では、坑道の埋め戻し後にコンクリート性のプラグ(蓋)を設置します(図)。このプラグには、低アルカリ、高強度、低圧縮、高流動の特別なコンクリートを使用するため、室内において小型ミキサーによる練混ぜ、各種特性試験を行い( 10月11日掲載記事 参照)、コンクリートの配合を選定しました。
 今回、実際に幌延深地層研究センターの地下施設建設で使用しているコンクリート製造設備による試験練りを行い、作業性や製造されたコンクリートが室内試験と同様の特性が得られるかを確認しました。写真(2枚)は、コンクリートの初期の流動特性を調べる試験の様子です。試験の結果、期待された流動特性が得られました。今後は更に、今回製作したプラグコンクリートの強度や圧縮に関わる特性を確認していきます。

図 人工バリア性能確認試験のイメージ

写真1 U型充填性試験

写真2 スランプフロー試験

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平成26年5月23日(金)更新

モンテリ国際共同研究プロジェクト幌延ワークショップ

平成26年5月14日、幌延深地層研究センター国際交流施設にて、モンテリ国際共同研究プロジェクト*1の運営会議と合わせてワークショップ(情報交換会)を開催しました。本ワークショップでは、堆積岩の力学的な特性と亀裂の透水性に関する研究や、実物大の模型を用いて行う人工バリアの設置や性能確認などに関するモンテリと幌延の両プロジェクトにおける取組みを紹介し、具体的な試験や解析の方法について情報を交換しました。

*1 モンテリ国際共同研究プロジェクトとは…
 堆積岩(粘土層)を対象とする、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究プロジェクト。スイスのモンテリ高速道路トンネルを建設した際の調査坑道を拡張し、1996年から地下研究所として使用している。現在、8ヶ国から原子力機構を含め14機関が参加し、41の試験を実施している。

図 人工バリア性能確認試験のイメージ

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平成26年5月16日(金)更新

低アルカリ性セメントを用いた覆工コンクリートの強度試験

4月18日掲載の「地下施設整備工事の状況」 および 5月2日掲載の「調査研究の状況」 でご紹介したように、東立坑の深度374mから380mの坑壁に低アルカリ性セメントを用いた覆工コンクリートを施工しました(図1)。
 品質確認の一環として、打設する前のコンクリートから試験体を作製し、28日経過後に強度試験を実施しました(写真1)。試験の結果、試験体の強度は設計基準強度を満足しており、実際に施工した低アルカリ性セメントを用いた覆工コンクリートは適切な強度を発現していることが確認されました。

図 人工バリア性能確認試験のイメージ

図 人工バリア性能確認試験のイメージ

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平成26年5月2日(金)更新

低アルカリ性セメントの覆工コンクリートへの適用性確認試験

幌延深地層研究センターでは、地下施設の支保*1に用いられるコンクリート材料(高アルカリ性)が人工バリアの緩衝材(ベントナイト系材料)や周辺岩盤等に与える影響を低減するために低アルカリ性セメントの開発を進めてきました。平成21年度には、低アルカリ性セメントを用いた吹付けコンクリートによる本格的な施工に成功し ( 平成21年10月15日プレス発表 )、その後、周辺岩盤や地下水への影響について調査を継続しています。
今回、低アルカリ性セメントを立坑の覆工コンクリートとして、東立坑の深度374mから380mで試験施工を実施しました( 4月18日地下施設整備の工事状況掲載記事 参照)。試験施工では、図1に示すように立坑を2m掘削し、次に2m分の覆工コンクリートを打設する工程を繰り返しました。試験施工の結果、通常のコンクリート材料と同様に施工できることを確認しました。

*1 支保とは…
 地下空間の安定を保つために設ける構造物のことです。

研究発表の様子

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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