STAGE2 放射線の歴史と基礎知識

今から100 年以上前、レントゲン博士がX線を発見したのをきっかけに多くの科学者が放射線の性質や応用技術などを研究してきた。このステージでは、20 億年前の天然原子炉の発見、X線やウランの放射能の発見、といった近年の放射線・放射能に関する歴史を縦軸に、放射能と放射線の違いやα線、β線、γ線、中性子線の透過率といった放射線の基礎知識についても紹介する。

放射線の半減期とは

放射性物質の原子核は不安定な性質を持ち、アルファ線、ベータ線、ガンマ線などの放射線を出しながら、より安定した別の種類の原子へと姿を変えていきます。この現象を原子核壊変といいます。
放射能は時間とともに低下しますが、その強さがはじめの2分の1になるのに要する時間を「半減期」と呼びます。

半減期の長さは、放射性物質ごとに異なり、数秒の短いものからウラン238のように45億年と長いものまでさまざまです。
放射性物質のヨウ素131、セシウム134、セシウム137の半減期はそれぞれおよそ、8日、2年、30年です。

半減期が短い放射性物質は原子核壊変が激しいため、最初に出てくる放射線の数が多く、半減期が長い放射性物質は逆に放射線の数が少なく、じわじわと出し続ける状況になります。

参考資料

日本放射線技術学会『放射線物理学』
日本アイソトープ協会『アイソトープ手帳』