Synergy
Sustainable
Ubiquitous

私たちは新しい価値の創出のため
日々イノベーションの最前線に立ち、
原子力科学技術を通じて
社会に貢献してまいります。

JAEAのビジョン目指す将来像

「ニュークリア & リニューアブル」で拓く新しい未来

原子力(ニュークリア)再生可能(リニューアブル)エネルギーが二元論を乗り越え、
融合することで実現する新しい持続可能(サステナブル)な未来社会を目指します。

JAEAは、原子力と再生可能エネルギーの融合によって、脱炭素社会の実現を目指しています。これを実現するために、「Synergy」「Sustainable」「Ubiquitous」の3つの柱に基づいて取り組みを進めています。これにより、「カーボンニュートラルな社会」と「低資源・高効率な社会」を実現し、人類社会に貢献することを目指します。

  • Synergy:原子力と再生可能エネルギーの相乗効果
  • Ubiquitous:原子力の多分野での活用

“2050年脱炭素社会の実現に貢献する
高温ガス炉の開発”

高温ガス炉の開発

図:高温ガス炉の開発

優れた安全性の実証

図:優れた安全性の実証

多様な熱利用技術の確立

  • Synergy:原子力と再生可能エネルギーの相乗効果
  • Sustainable:継続可能なエネルギーとしての原子力
  • Ubiquitous:原子力の多分野での活用

“高レベル放射性廃棄物の有害度低減・資源化
医療用RIも国産化へ”

高速炉の開発

図:高速炉の開発

高速炉サイクルの確立

図:高速炉サイクルの確立

高速中性子を利用することで発電しながら消費した以上の燃料を生成することができます。

高レベル放射性廃棄物の有害度低減技術の確立

高速中性子を利用することで発電しながら消費した以上の燃料を生成することができます。

  • Synergy:原子力と再生可能エネルギーの相乗効果
  • Sustainable:継続可能なエネルギーとしての原子力
  • Ubiquitous:原子力の多分野での活用

“原子力利用の過程で発生する
燃えないウランや放射性廃棄物を最大活用”

国内に眠る有価物を活用

図:国内に眠る有価物を活用

ウラン蓄電池の開発

燃えないウランを高効率の大容量蓄電池に活用します。
原子力発電や再生可能エネルギーの余った電気を蓄電し、ピークシフト、系統安定化に貢献します。

図:ウラン蓄電池の開発

希少金属の分離技術の開発

産業界や医療分野などで利用価値の高い希少金属を廃棄物から分離する技術を開発し、資源セキュリティの確保に貢献します。

熱・放射線発電技術の開発

放射性物質から生じる熱や放射線を利用した電源を開発します。どのような環境でも半永久・メンテナンスフリーのエネルギー源として活用できます。

図:熱・放射線発電技術の開発

人が近づけない環境でも半永久的、手入れ(メンテナンス)が不要な電力として利用できる

  • Sustainable:継続可能なエネルギーとしての原子力

“福島第一原子力発電所(1F)の
廃止措置と環境回復を支援”

1Fの廃止措置と環境回復への支援

図:1Fの廃止措置と環境回復への支援

福島第一原子力発電所の廃止措置を支援

ALPS処理水を第三者の立場から分析

政府の方針に基づき、ALPS処理水に含まれる放射性物質の客観性及び透明性の高い測定を目的として、東京電力HDとは独立した第三者の立場での分析(第三者分析)を実施しています。

分析の流れ
1:前処理
測定しやすくなるよう核種の純度を高める処理を行います。
2:測定
分析対象が放出する放射線や特徴を考慮し、それぞれ適切な分析装置を用いて測定します。
3:確認・評価
分析装置から出力された分析値の妥当性を確認・評価し、結果を国に報告するとともに公表します。

燃料デブリの分析

炉内に堆積した燃料デブリの安全かつ確実な処理・処分のため、その性状を分析します。JAEAの各地の研究所が連携し取り組んでいます。

図:燃料デブリの分析

環境回復への支援

避難指示区域解除や農林水産業再生に貢献するため、放射線量の分布の現状を把握する技術の開発や放射性核種の動きを調べて予測する環境動態・環境分析研究に取り組んでいます。

図:環境回復への支援
図:環境回復への支援
  • Sustainable:継続可能なエネルギーとしての原子力
  • Ubiquitous:原子力の多分野での活用

“原子力施設の健全なライフサイクルを確立”

原子力施設の廃止措置技術の知見を集約

図:原子力施設の廃止措置技術の知見を集約

JAEA施設の廃止措置を通じた廃止措置技術の知見の集約

新型転換炉原型炉ふげん

電力会社に先駆けて水冷却炉の廃止措置を進めており、現在は、原子炉周辺設備などの解体撤去や原子炉の解体を安全に実施するため遠隔・自動化装置などの技術開発に取り組んでいます。

図:スケジュール
原子炉周辺の大型機器などの解体撤去
写真:新型転換炉原型炉ふげん
制御棒駆動装置ケーシングの解体
原子炉本体解体工法に係る技術開発
写真:新型転換炉原型炉ふげん
水中でのレーザー切断試験

高速増殖原型炉もんじゅ

ナトリウム冷却高速炉の廃止措置に取り組んでいます。現在は、水・蒸気系発電設備の解体撤去や、ナトリウム機器解体の準備としてしゃへい体等取出し作業などを進めています。

図:スケジュール
水・蒸気系等発電設備の解体撤去
写真:高速増殖原型炉もんじゅ
タービン発電機の解体状況
もんじゅナトリウム搬出に向けた取組
写真:高速増殖原型炉もんじゅ
英国処理に係る枠組み契約締結(2023年4月)

核燃料サイクル工学研究所 東海再処理施設

再処理施設の廃止措置を進めています。高放射性廃液のガラス固化、低放射性廃液処理技術開発、施設の解体に向けた除染に取り組んでいます。

図:スケジュール
高放射性廃液貯蔵の安全性向上
写真:高放射性廃液貯蔵の安全性向上
高放射性廃液のガラス固化
写真:高放射性廃液のガラス固化
高放射性固体廃棄物の取出しと再貯蔵
写真:高放射性固体廃棄物の取出しと再貯蔵
低放射性廃液のセメント固化
写真:低放射性廃液のセメント固化

人形峠環境技術センター

使命を終えたウラン濃縮施設などの廃止措置や鉱山施設の閉山措置、これらに関するウラン廃棄物工学研究、環境研究を行っています。

青森研究開発センター

原子力船「むつ」の原子炉施設の廃止措置や加速器質量分析装置を用いた環境試料中のヨウ素や炭素といった極微量元素の分析や分析技術開発を行っています。

  • Synergy:原子力と再生可能エネルギーの相乗効果
  • Sustainable:継続可能なエネルギーとしての原子力
  • Ubiquitous:原子力の多分野での活用

そのほかの取組をご紹介

医療用RIの国産化

がん治療や画像診断などに利用される医療用ラジオアイソトープ(医療用RI)の国産化を目指し、研究開発を進めています。

高速実験炉「常陽」では

アクチニウム225の製造を目指しています。白血病やメラノーマなど多様ながんへの有効性が期待されています。

研究
開発

医療用RIから発生するα線で、
がん細胞のみピンポイントで叩く!

  • 治療法が確立していない全身がんなどに有効
  • 放射線の飛程が短いため、周囲の正常な組織の損傷が少ない
  • 治療期間が短く入院不要

国内で実用化を熱望!

研究用原子炉JRR-3では

モリブデン99/テクネチウム99mの製造を目指しています。
画像診断(SPECT検査)に用いられています。

研究
開発

医療用RIを含む薬を体内に投与して病気を診断!

  • 臓器の働き(機能)を捉える ※CT検査やMRI検査は臓器の異常を捉える
  • 他の検査ではわかりにくい病気が見つかることも
  • 副作用も非常に少ない

注射で体内に投与し、下図のような原理で検査を実施します。

図:検査
  • Synergy:原子力と再生可能エネルギーの相乗効果
  • Sustainable:継続可能なエネルギーとしての原子力
  • Ubiquitous:原子力の多分野での活用

そのほかの取組をご紹介

放射性廃棄物の処分技術の確立

低レベル放射性廃棄物の埋設処分

図:低レベル放射性廃棄物の埋設処分

地層処分のイメージ

図:地層処分のイメージ

中性子供給源の整備

研究用原子炉JRR-3 [ Japan Research Reactor No.3 ]

中性子の特徴を活かした、半導体や医療用RIの製造といった産業分野での利用や、元素を見わけることができる性質を利用した隕石の分析をはじめ、冷中性子(エネルギーの低い中性子)が利用できることから、高分子の構造解析による生命現象の謎に迫る研究などを進めています。国内最大級の熱・冷中性子の利用が可能であることから、基礎研究から産業分野まで幅広い分野で活用されています。

図:地層処分のイメージ

大強度陽子加速器施設J-PARC [ Japan Proton Accelerator Research Complex ]

物質中の原子・分子の構造から物質・生命の起源を探る研究や、素粒子や原子核の研究から宇宙の始まりの謎を解く研究を進めています。ほぼ光速まで加速した世界屈指の大強度の陽子ビームから、中性子、ミュオン、ニュートリノ、K中間子などの多彩な二次粒子ビームを作り出し、多種多様な実験が行われています。

図:地層処分のイメージ

新しい試験研究炉

高速増殖原型炉もんじゅのサイト内に、西日本における原子力分野の研究開発・人材育成の中核的拠点としての役割と地元振興への貢献を目指した、新たな試験研究炉を設置します。JAEAは、京都大学や福井大学と連携して試験研究炉の詳細設計を実施主体として進めています。

図:地層処分のイメージ
自動車排気ガス浄化装置
スマートフォンなどの部品の材料
強力なネオジム磁石

海外での
適用例

末期の転移性前立腺がんが完全奏効!
(がんの兆候がすべて消失)

全身転移したがん患者にアクチニウム225を投与した結果、がん腫瘍の消滅が認められました。

写真:がん腫瘍の消滅

アクチニウム225の放射線でがん細胞を死滅

成果例

体への負担を少なく早期診断!

骨シンチグラフィは核医学検査の中でも最も頻繁に行なわれている検査の一つとして知られています。

[メリット]
  1. 骨代謝の変化を反映する機能的な画像診断
  2. 全身検索が簡単(右の図)
  3. 治療後の効果判定や経過観察に有効
骨シンチグラフィの例
写真:検査

国立国際医療研究センター病院 放射線核医学科HP
(https//www.hosp.ncgm.go.jp/s037/010/080/010/index.html)