原子力機構のご紹介

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)は、日本で唯一の原子力に関する総合的研究開発機関です。
ここではその活動やポリシーについて詳しくご紹介しています。

理事長メッセージ

小口正範理事長

日本原子力研究開発機構(原子力機構)理事長に就任しました小口です。

平素、原子力機構の研究開発業務に関し、多大なご理解とご支援を賜り誠にありがとうございます。

7年間という長期にわたり全力で原子力機構の運営に取り組まれた児玉前理事長の後を引き継ぐこととなり、責任の重大さに身の引き締まる思いです。

現在、カーボンニュートラル実現等の日本の将来を見据えた「エネルギー基本計画」等の具体化に関する議論がなされております。その中で唯一の原子力に関する総合的研究開発機関である原子力機構の果たすべき使命は誠に重大であり、私としましてもその実現に向けて強い責任感をもって行動する覚悟です。

私は、原子力機構の使命は、「原子力科学技術を通じて、人類社会の福祉と繁栄に貢献する」ものと心得ております。全ての業務の実施に当たっては安全を最優先とするという大前提の下、当面、重点的に取り組む分野は、中長期目標に従い次のようなものです。

  • カーボンニュートラルへの貢献のための軽水炉、高温ガス炉、高速炉の研究開発
  • 原子力科学技術に係る多様な研究開発
  • 人材育成に貢献するプラットフォーム機能の充実
  • 福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
  • 高レベル放射性廃棄物の処理処分に関する技術開発
  • 持続的なバックエンド対策
  • 原子力安全規制・原子力防災支援とそのための安全研究

中でも、カーボンニュートラルへの貢献やイノベーション創出に向けて、JRR-3やHTTRといった試験研究炉を計画的かつ着実に運転し、外部からの利用も含め、最先端成果の創出につなげ、また、医療用放射性同位元素製造などが可能な高速実験炉「常陽」については、運転再開に向けた新規制基準対応を計画的に進め、運転再開を果たしたいと考えております。また、バックエンド対策については、特に、東海再処理施設の高放射性廃液の貯蔵に係るリスク低減等を最優先事項として取り組むとともに、「もんじゅ」「ふげん」の安全かつ着実な廃止措置を進めたいと考えています。

つまり、「研究開発活動とバックエンド対策の両立」と「イノベーションの創出」に向けた「挑戦」が、原子力機構に課せられた大きなテーマと考えます。具体的には、メリハリを付けたリソースの集中的投入や職員の士気向上を実現したいと考えます。

さらに、双方向コミュニケーション活動及び科学的知見等に基づく客観的な情報提供等による社会や立地地域の信頼の確保と、適切な情報セキュリティ対策の実施に取り組みます。

原子力機構の全職員が危機感とコンプライアンス意識を持ち、社会から付託された原子力機構の業務の目的を今一度正しく理解・共有してベクトルを合わせて業務を進め、より多くの成果を生み出して社会実装に繋げるとともに、その成果を分かりやすく、的確かつタイムリーに発信し、原子力機構が社会に貢献し続ける組織であることを社会に認めてもらえるように、原子力機構をリードしていきたいと思います。

理事長 小口 正範