理事長メッセージ
いまわが国のみならず世界各国において、人類共通の課題である脱炭素社会の実現に向けて、またエネルギーの安定供給と効率化運用を図るために、原子力エネルギーへの期待が高まっています。
このような状況下にあって、JAEAは原子力平和利用の先進国である日本の国研としてこれまで蓄積してきた知識・知見をもとに、国際連携をなお一層深め、原子力エネルギーの平和利用の促進のためにより幅広い分野で貢献して参ります。
現代社会はITに代表されるように、様々な科学分野で著しい技術革新(イノベーション)が起こり、「現在」をあっという間に「過去」へと押しやっておりますが、原子力分野においては、私たちはまだまだ原子力エネルギーが持つポテンシャルのすべてを引き出せてはいません。
即ち、換言すれば原子力の研究開発分野は依然としてイノベーションの宝庫であり続けているということです。
よって私たちはその鉱脈を掘り当て、資産化(価値化)することでこれまで以上の社会貢献を果たすチャンスを手の内にしていることになりますが、そのためには従来の思考の枠組みを超えて、幅広い観点から原子力エネルギーの利活用について思索を深めていく必要があります。
幸いにもJAEAは、その前身組織から数えて70年にわたる研究開発活動を通じて、様々な知識・知見の蓄積、それらを有効活用するための機能、そしてそれを支える設備と人材を有しており、これらをうまく組み合わせることで、更には原子力以外の分野での知識・知見を新たに付け加えることで、多様なソリューションの提供が可能になり、その活動を通じて社会に新たな価値を届けることができます。
そのためにはこれまでの自前主義から脱却し、国際連携を進めるという観点からも、IAEAを始めとする海外の研究機関等の協力関係を一層深めていく必要があります。
一方で、原子力エネルギーの平和利用に係る研究開発は特に欧米各国において急速に進んでおり、国際協力は国際競争の土台の上にあると言っても過言ではありません。
彼らに伍してゆくためにも最先端の研究開発に全力で取り組んでいく覚悟を新たにする所存です。
2025年10月、JAEAがその前身の組織を統合し「日本原子力研究開発機構」として新たに歩み始めてからちょうど20周年の節目を迎えました。
改めてこの20年の重みを噛みしめ、全職員が一体となって国民のみなさまのご期待に応えるべく、新たな価値創造に向けて一層努力をして参ります。
引き続きみなさまのご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
理事長 小口 正範






