■■■  JAEAメールマガジン  ■■■

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2015.01.30No.358━━

*今週のPick Up

〔プレスリリース〕・・・イーター・トロイダル磁場コイル用高性能超伝導導体の製作を完了
-世界に先駆け製作を進め新たな技術課題を解決

「もんじゅ」に係る保安措置命令に対する報告書の不適合処置を実施し
た機器の集計誤りについて

〔報告会・シンポジウム〕・・・日本原子力研究開発機構「新技術説明会」を開催します
「第2回加速器施設安全シンポジウム」開催のご案内

〔現場から〕・・・藤原定家と超新星と3次元核図表―アウトリーチ活動の現場からー

= お知らせ ================================

【トピックス】

山口俊一内閣府特命担当大臣が、関西光科学研究所の光量子科学研究施設をご視察

http://wwwapr.kansai.jaea.go.jp/topics-3289.html

 

福島原子力事故関連情報アーカイブを更新しました

http://jolisfukyu.tokai-sc.jaea.go.jp/ird/sanko/fukushima_sanko-top.html

 

平成26年度原子力総合防災訓練に参加しました

http://www.jaea.go.jp/04/shien/h26NatlNucleEmEx_j.html

 

【プレスリリース】

各医療機関でのCT撮影条件の設定に役立つWAZA-ARIv2の本格運用を開始
-様々な体格・年齢の患者に対応、国内のCT被ばく線量の統計データの収集も可能-

http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15013001/

 

「もんじゅ」に係る保安措置命令に対する報告書の不適合処置を実施した機器の集計誤り
について(状況報告)

http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/2015/01/p150128.pdf

 

第1工学試験棟大実験室における遮断器の火災に関する報告書(最終報)の提出につい

http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15012801/

 

イーター・トロイダル磁場コイル用高性能超伝導導体の製作を完了
-世界に先駆け製作を進め新たな技術課題を解決

http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15012602/

 

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)第2実験ホールにおける火災に関する報告書
(第一報)の提出について

http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15012601/

 

原子力機構週報(124日~130日)

http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15013002/

 

【報告会・シンポジウム】

29回東濃地科学センターセミナーの開催(27日)

テーマは「安全・安心のための地盤防災~土地の危険を知り・考え・行動する~」です。

入場無料となっておりますので、是非ご参加ください。

http://www.jaea.go.jp/04/tono/topics/topics1501_1/index.html

 

平成26年度福島研究開発部門成果報告会を開催します(212日)

いわき産業創造会館にて開催します。皆様のご来場をお待ちしております。

※参加を希望される方は申し込みが必要となります。(26日締切)

http://fukushima.jaea.go.jp/pdf/2015-0106.pdf

 

放射線利用フォーラム2015 in 高崎」を開催します(217日)

高崎シティギャラリーにて開催します。皆様のご来場をお待ちしております。

※参加を希望される方は申し込みが必要となります。(23日締切)

http://www.taka.jaea.go.jp/information/index_j.html

 

日本原子力研究開発機構「新技術説明会」を開催します(220日)

JST東京本部別館ホールにて開催します。本説明会は、原子力機構が主体となった特
許等の研究成果を発明者自らが説明することにより、技術移転の促進に資することを目
的にしています。皆様のご参加をお待ちしております。
※参加を希望される方は申し込みが必要となります。

http://www.jstshingi.jp/jaea/2014/

 

26 CCSEワークショップ「複雑現象シミュレーション技術の最前線」を開催します。
226日)

東京大学柏の葉キャンパス駅前サテライトにて開催します。皆様のご来場をお待ちして
おります。
参加を希望される方は申し込みが必要となります。

http://ccse.jaea.go.jp/ja/conf/workshop.html

 

「第2回加速器施設安全シンポジウム」開催のご案内(36日)

原子力科学研究所 先端基礎研究交流棟 大会議室にて開催します。J-PARCにおける
事故後の進捗をお伝えします。
皆様のご来場をお待ちしております。
※参加を希望される方は申し込みが必要となります。(26日締切)

http://j-parc.jp/symposium/anzen2015/index.html

 

【見学会】

瑞浪超深地層研究所で見学会

ぜひご参加ください。参加は無料です。

http://www.jaea.go.jp/04/tono/kengaku/kengaku_miu2.html

 

= 研究開発報告 ==============================

福島第一原子力発電所の使用済燃料プールにおける特異な環境履歴を経験した使用済
燃料集合体部材の長期健全性に及ぼす腐食の影響評価

http://dx.doi.org/10.11484/jaea-technology-2014-020

 

レーザー光を用いた燃料デブリ・炉内構造物取出しに向けた研究,2; 平成25年度研究成果

http://dx.doi.org/10.11484/jaea-research-2014-018

 

捨石たい積場周辺環境の監視測定結果,平成25年度; 鳥取県内

http://dx.doi.org/10.11484/jaea-review-2014-025

 

先行基礎工学研究に関する平成25年度研究概要報告

http://dx.doi.org/10.11484/jaea-review-2014-026

 

= 現場から ================================

藤原定家と超新星と3次元核図表―アウトリーチ活動の現場からー

 

「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩(もしほ)の身もこがれつつ」

恋人を待ち焦がれる女性の想いを詠ったこの和歌は小倉百人一首の選者である藤原定
家が詠んだものです(第97首)。この定家は実は宇宙の元素の成り立ちの研究に関して、あ
る「貢献」をしているのです。

平安末期から鎌倉前期を生きた藤原定家は、「明月記」と呼ばれる日記を残しています。
その中で彼は「超新星」の記録を残していたのです。当時木星程の明るさであったと記載され
1054年の客星(突然光輝いた星)は、おうし座にある超新星残骸の「かに星雲」として知ら
れています。

このような超新星爆発は太陽よりも大きな星がその生涯の最後に迎えるイベントであり、
これが様々な元素の存在の大きなかぎとなっているのです。そして「明月記」はおよそ1000
年の時を経た超新星爆発の記録を結びつけているのです。

さて、その元素ですが、これらは一体どのようにしてできたのでしょうか。宇宙の始まりから
全ての種類があったのでしょうか?実は、宇宙は138億年の時間をかけて電子、陽子、中性
子をたねにして水素からウランにかける様々な元素を作り出していったと考えられています。
そしてその作り出す仕組みには原子核の性質が大きく関わっているのです。原子の中心に
ある原子核は陽子と中性子の複合体であり、この個数の組み合わせで原子核が定まります。
宇宙では元素の周期表の最初にある水素、ヘリウムから元素を合成していき、原子核の陽
子・中性子の組み合わせを増やすことにより段々と原子番号の大きい元素を作っていったの
です。

例えば、太陽系に鉄が顕著に多い理由(地球の3分の1は鉄です)は原子核の結合エネ
ルギーが元素の周期表の上では原子番号26の「鉄」の辺りで最も大きくなっているです。結
合エネルギーが大きいというのは言い換えると原子核が壊れにくいことです。星の中ではそ
の高温・高圧のため原子核同士が(おしくらまんじゅうのように)くっつくことにより原子番号の
小さい水素、ヘリウムから、より原子番号の大きい原子核を作っていきます。その反応は結
合エネルギーが最大の鉄付近まで進みますが、鉄付近より原子番号が大きくなると、結合エ
ネルギーが小さくなり原子核を作りにくくなるため、結果として鉄が多く存在するのです。  

また、原子力にも利用されているウラン・トリウムが地球に存在しているのは、超新星爆発
でつくられた重い原子核が次々と壊れる中でウラン・トリウムのみが数億年以上という(原子
核の)寿命を持っていて、太陽系ができてからこれまで46億年の間生き延びたからです(例
えば、ウランやトリウムから生み出されるラドン(原子番号86)やラジウム(原子番号88)は数
分から数時間程度の寿命しかありません)。その意味で原子力エネルギーは超新星の「化石
燃料」といってもいいのかもしれません。原子核の研究の目的の一端はこのような元素の起
源を明らかにすることにもあります。

先端基礎研究センター重原子核反応フロンティアグループでは、原子核研究の一つとして
(未知核種の予測も含めた)あらゆる原子核の性質を統一的に理解しようという「大域的原子
核質量計算」を行ってきました。

最近、この計算によって得られたデータを使って、原子核の性質を一般の方々にも平易に
理解して頂くための立体模型である「3次元核図表」を作製しました。これは横軸に中性子の
数、縦軸に陽子の数として原子核の性質を表す「核図表」に、高さ軸として原子核質量、半減
期等を与えて立体的に可視化した模型です。この「3次元核図表」を用いて、これまでに「宇
宙の錬金術」という題目でサイエンスカフェ(文科省、JAEA等主催)や、科学授業(県立福島
高校、同磐城高校等)を行ってきました。各地の聴衆の方々の反応はいずれも好評で、オブ
ジェの存在感や親近感 に加えて、世の中の元素の起源を、宇宙という大きい世界と原子核
という小さな世界の関わりから統一的に理解できるという新鮮さが強く興味を引いたようです。
(
導入で紹介する明月記も)

この3次元核図表は現在動画として以下のリンク先からご覧頂けます。

・日本語版

JAEAチャンネル

http://www.jaea.go.jp/atomic_portal/jaea_channel/

の「宇宙の錬金術」

・英語版

http://dx.doi.org/10.1088/0031-9120/49/2/215

の「Three-dimensional nuclear chart – understanding nuclear physics and nucleosynthesis
in stars

 

今後も機構の研究活動をより一般の方々に理解して頂けるよう、様々な形のアウトリーチ
活動に取り組んでいきたいと思います。

(先端基礎研究センター 小浦寛之)

= その他の情報 ==============================

大学等への公開特別講座

原子力機構の研究者、技術者を大学、高専等に派遣します。

http://www.jaea.go.jp/kouza/

各種研修情報

http://nutec.jaea.go.jp/index.php

ITER機構の委託研究及び業務委託に関心ある企業・研究機関の募集を更新しました
ITER機構サイトへ)

http://www.naka.jaea.go.jp/ITER/jada/page2_8.php

平成26年度「防災業務関係者のための放射線防護研修」の受講者を募集

http://www.jaea.go.jp/04/shien/training_j.html

採用情報 http://www.jaea.go.jp/saiyou/

調達情報 http://www.jaea.go.jp/for_company/supply/

 

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原子力機構の様々な情報をお伝えします。

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【発行】独立行政法人日本原子力研究開発機構 広報部

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