第12回 原子力機構報告会
「原子力の未来 ―原子力機構の挑戦―」

開会挨拶 (テキスト版)

開会挨拶

皆さん、こんにちは。理事長の児玉でございます。

本日はお忙しい中、原子力機構の報告会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。また、私どもの研究機関の拠点のある地元の皆様を初め、関係者の皆様におかれましては、日ごろより当機構の活動に御理解、御協力をいただきまして、大変ありがとうございます。重ねてお礼を申し上げます。

まず初めに、本年6月6日に大洗研究開発センター燃料研究棟において汚染被ばく事故を発生させ、皆様に多大な御迷惑をおかけしましたことを、心よりおわび申し上げます。現在原因究明に基づく再発防止対策の実行に全力を挙げているところでございます。本件に関しましては、この後最初に報告させていただきます。

さて、当機構に関するこの1年間の主な動きについて申し上げますと、重要な課題の1つであります東京電力福島第一原子力発電所事故への対応につきましては、この春から福島県の富岡町に建設した廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟の本格運用を開始するなど、課題解決に向けたより一層の取り組みを行っているところでございます。

また、もんじゅにつきましては、昨年12月に運転再開はせずに今後廃止措置に移行するという政府方針が示されました。今後はもんじゅの廃止措置を着実に進めるとともに、国が定めた高速炉開発の方針に沿って、もんじゅを通じて得られた成果も有効に活用しつつ、我が国における高速炉開発に改めて取り組んでまいります。

このほか、再処理施設の廃止措置、試験研究炉の再稼働などの機構の研究基盤の再構築に関する課題等に鋭意取り組んでいるところでございます。

さて、本日の報告会では、「原子力の未来―原子力機構の挑戦―」として、当機構の最新の取り組みを御報告させていただきます。私どもの成果の発信につきましては、さまざまな場面で積極的に発信しているつもりではございますが、一方でどのような研究開発がどのような人間によって行われているのか見えないという印象をお持ちの方々も多いかと思います。

そこで、今回は概況報告に続き、皆様に興味をお持ちいただけるような最新のトピックスを選んで、若手中心にわかりやすく御報告してまいります。別途下の階で展示されている各研究開発の紹介もあわせて、これらの報告によって原子力機構として行うべきミッション、研究開発機関だからこそできるチャレンジの一端をお伝えできればと思っております。

後半は座談会方式で進めさせていただきます。テーマは「原子力の未来は何色か―原子力機構の挑戦―」です。皆様御存じのノンフィクション作家の山根一眞さんにモデレーターをお願いし、読売新聞論説委員の井川陽次郎様をパネリストとしてお招きし、御議論いただきます。原子力の未来はどんな色を持っているのか、どんな色にしていくことが社会にとって望ましいのか。そして、そのために私たち原子力機構が果たすべき役割は何なのかを議論させていただきたいと思います。

本日は、受付でお気づきのとおり、全国に広がる研究開発拠点の立地自治体の皆様からのパンフレット紹介や物品販売もございます。地元の皆さんの御理解と御協力を賜ってこそ積極的な研究開発を進めることができていると思っております。改めて御礼申し上げます。御来場の皆様方には、ぜひブースにお立ち寄りいただければと思います。

それでは、限られた時間ではございますが、最後まで御参加いただくとともに、引き続き御支援、御協力を賜りますことを大変幸いに存じます。本日は、まことにありがとうございます。