■■■   JAEAメールマガジン   ■■■

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012.3.9/No.215 ━━━

〔現場から〕生きている細胞の内部をそのまま観察できる軟X線顕微鏡の開発(量子ビーム応用研究部門)

〔東日本大震災発生に伴う対応状況〕

〔お知らせ、採用情報、調達情報〕

= 現場から ==========================

生きている細胞の内部をそのまま観察できる軟X線顕微鏡の開発

生命現象を理解し、生命の起源を解き明かすという生命科学の分野の究極の目的を達成するためには、生物を構成する基本単位である細胞の機能を理解することが重要です。細胞の機能はその構造に大きく依存しており、その機能発現状態における構造をそのまま観察することは重要な情報を提供しますが、これまでは、生きている細胞の内部の構造を詳細に観察する方法はありませんでした。
  我々は、細胞の主要構成元素である炭素に吸収されやすく、細胞を取り巻く水にはほとんど吸収されないという特徴を持つ水の窓波長軟X線(2.3nm〜4.4nm)を用いた軟X線顕微鏡に着目しました。軟X線顕微鏡は、生きている細胞の内部構造(細胞内小器官)を"その場観察"できる技術として期待されてきましたが、細胞内の運動による解像度の低下を抑えたり、撮像時の軟X線の影響を抑えたりするためには、1マイクロ秒以下の瞬時撮像が要求されます。しかし、これまでの国内外の研究では、軟X線輝度の不足により、細胞の撮像に数秒から数分の長時間露光を必要としたため、生きている細胞の内部構造の"その場観察"は実現されませんでした。
  我々は、関西光科学研究所で開発した非常に高強度で高品質なレーザーによって発生させた高輝度短パルス軟X線を活用した軟X線顕微鏡を開発しました。厚さ20nmという非常に薄い金の薄膜と厚さ100nmの窒化シリコンの薄膜を組み合わせた二層構造ターゲットを考案することにより、従来に比べて千倍以上の軟X線源の高輝度化を達成しました。さらに、細胞をX線感光材上に直接培養し、そのままX線を照射する方法を考案することにより、培養液中の生きている細胞をそのまま観察することが可能となりました。その結果、生きている細胞の中のミトコンドリアや染色体繊維や微小管などの細胞内小器官の詳細な構造の"その場"観察に成功しました。
  開発した軟X線顕微鏡は、放射線による細胞への影響や細胞の様々な機能の発現の仕組みなど、生命現象を細胞レベルで理解する研究に役立てることが期待できます。さらに、これらの基礎的な分野での利用だけでなく、癌細胞や神経細胞の変性過程等、病理学や薬理学などの医療の分野への利用も期待できます。

(量子ビーム応用研究部門 医療・バイオ応用量子ビーム技術研究ユニット 照射細胞解析研究グループ 加道雅孝)

= 東日本大震災発生に伴う対応状況 ===============

「福島第一原子力発電所事故による環境放出と拡散プロセスの再構築」の発表資料を掲載

原子力機構は3月6日に、都内で公開ワークショップを開催しました。
  http://nsed.jaea.go.jp/ers/environment/envs/FukushimaWS/index.htm

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福島事故で放出された放射性物質をテーマとするシンポジウムを3月13日に開催します。

文部科学省は原子力機構などと共催で「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性物質の分布状況等に関する調査研究結果」に関するシンポジウムを都内で開催します。
  http://www.jaea.go.jp/fukushima/decon03.pdf

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除染モデル実証事業等の成果報告会を3月26日に福島市内で開催します。

内閣府や環境省と共催で開催します。内容は除染モデル事業等の結果概要、結果分析・評価、除染技術実証事業の結果報告、今後の取組など。
  http://www.jaea.go.jp/fukushima/decon04.pdf

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「福島支援活動を踏まえた原子力防災にかかる課題と提言」を刊行

福島原子力発電所事故に対する支援活動を行ってきた原子力緊急時支援・研修センターは、この半年間の活動を整理するとともに、原子力防災にかかる課題と提言をまとめました。
  http://www.jaea.go.jp/04/shien/index.html

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JAEA図書館の福島原発事故参考情報を更新

JAEA図書館は福島原発事故参考情報を発信しています。その関連文献リストに「低線量被ばく」に関する文献情報を追加するとともに、「放射性核種移行、除染」に関する文献情報を更新しました。
  http://jolisfukyu.tokai-sc.jaea.go.jp/ird/index.html

= お知らせ ==========================

高速増殖原型炉もんじゅ炉内中継装置の落下に係る原因と対策等の報告について

http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/2012/03/p120309.pdf

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新型転換炉原型炉施設廃止措置計画認可申請書に記載された放射性物質量の評価結果等の誤りの原因と対策について

http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/2012/03/p120308.pdf

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短波長化が可能なコヒーレントX線発生の原理実証に成功

原子力機構のピロジコフ・アレキサンダー研究員らは新たな高次高調波発生法により、従来の方法では難しかった短波長化が原理的に可能であることを実証しました。
  http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12030201/index.html

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第6回埋設処分業務・評価委員会を2月16日に開催しました

http://www.jaea.go.jp/04/maisetsu/index.html

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日本原子力研究開発機構役員の公募結果について

http://www.jaea.go.jp/02/news2011/yakuinkoubo-kekka/index.html

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首藤バルブ製作所で製造された弁の原子力施設における設置状況等の調査結果について

http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12030202/index.html

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瑞浪超深地層研究所では3月24日と4月14日に見学会を開催します。

http://www.jaea.go.jp/04/tono/kengaku/kengaku_miu2.html

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緊急時対応研修を募集しています。

http://www.jaea.go.jp/04/shien/shousai/indextraining.htm

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週報(3月3日〜9日)

http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12030901/index.html
  http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/2012/03/w120309.html
  http://www.jaea.go.jp/04/ztokai/repro/week/s120309/weekly.htm
  http://www.jaea.go.jp/04/tono/syuho/240303_240309.pdf

= 採用情報 ==========================

詳細は http://www.jaea.go.jp/saiyou/index.html をご覧下さい。

= 調達情報 ==========================

詳細は http://www.jaea.go.jp/02/2_6.shtml をご覧下さい。

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【配信希望、アドレス変更、配信停止】 http://www.jaea.go.jp/14/14_0.html

【ご感想やご要望】 http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml

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【発行】 独立行政法人 日本原子力研究開発機構  広報部   佐田務、岡田学

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