安全と環境への取組み

被ばくの管理

働く人の被ばくの管理

原子力施設で放射線や放射性物質を取り扱う作業を行う人は「放射線業務従事者」に指名登録されます。作業に伴って受ける放射線の量は、法令で5年間で100ミリシーベルト、年間でも50ミリシーベルト以下にすることが定められており、放射線の管理を専門とする部門を設けて働く人の被ばくの管理等を行っています。働く人たちの被ばく管理においては法令を守ることはもとより,作業の自動化や遠隔装置の採用,有効な遮へいの実施,作業前の除染等,様々な対策によりできる限り被ばく線量の低減を行っています。

核燃料サイクル工学研究所では、施設の中の放射性物質を取り扱う区域(管理区域と呼んでいます。)にエリアモニタ(写真1)などの放射線を測定する機器を設置して、通常の作業のために人が入る場所の放射線レベルを常時監視しています。また、補修工事などのために放射線レベルの高い場所に入る場合は、あらかじめ作業の手順や被ばくを防ぐ方法などの計画を定めるとともに、作業区域に仮設のモニタを設置するなど、過度に被ばくしないよう管理しています。 また、管理区域で働く人に対しては、個人線量計(写真2)、全身カウンタ(写真3)、肺モニタ(写真4)などの機器・装置により作業員ごとの被ばくの量を測定・評価し、法令などに定められた基準を超えないように管理しています。

(写真1)エリアモニタ
作業場所の放射線レベルを監視し、設定値以上になると警報を発します エリアモニタ
(写真2)個人線量計(TLDバッジ)
体の外からの放射線で被ばくした量を測定します。 個人線量計(TLDバッジ)
(写真3)全身カウンタ
体の中にある放射性物質(セシウム137、コバルト60など)の量を測定します。 全身カウンタ
(写真4)肺モニタ
肺の中にある放射性物質(アメリシウム241、プルトニウム239など)の量を測定します。肺モニタは測定環境を低バックグラウンドにするために鉄遮蔽室(写真右)の中に設置されており、被測定者もこの鉄遮蔽室内に入った状態で測定します(写真左)。
肺モニタ
鉄遮蔽室

核燃料サイクル工学研究所で働く人の被ばくの状況

核燃料サイクル工学研究所の放射線業務従事者の被ばく量(平均線量)は、グラフに示したように最大でも年間0.5ミリシーベルトを下回る程度であり法令で定められている放射線業務従事者の被ばく限度(5年間平均で20ミリシーベルト/年)よりも十分に低い値に管理されています。

放射線業務従事者数と平均被ばく線量の推移