ナトリウムは水銀のように銀白色に輝くナイフで切れるほど柔らかい金属で、酸素や水分とすぐに反応する性質をもっています。
火力発電所や軽水炉で冷却材として使用されている水の場合、圧力( BWR 80気圧、 PWR 157気圧)を加える必要があります。 ナトリウムの融点は約98℃、沸点が約880℃と非常に広い温度範囲において液体状態を保つことが出来ます。このため、「もんじゅ」で使用する約200〜530℃まででは、常圧で液体であるため、扱いやすく、また、高い圧力を加える必要がないために原子炉容器や配管等を薄く作ることができます。
ナトリウムは水などに比べて優れた冷却能力を持っています。 熱の伝えやすさは、鉄の約2倍、ステンレスの約10倍、水の約100倍と大きく、このため、熱を効率よく炉心から取り出せます。
ナトリウムの重さは水と比べて0.98で 、水より僅かにかるい金属です。 このため、ナトリウムを循環させる為のポンプ動力が小さくて済む他、水で使用するポンプの技術がそのまま利用可能です。
ナトリウムは原子炉容器などの材料として使用されているステンレス鋼などとの相性が良く、原子炉容器などの空間を不活性ガス ( 空気と遮断するために化学的に安定なガス ) であるアルゴンガスで覆い、空気と触れないように管理することで錆などの不純物は殆んど発生しません。
塩の溶液を電気分解することで容易に製造可能で、工業生産技術も確立しており、原料となる塩は海水から採れるので安価で大量供給が可能です。 ●ナトリウムの単価・・・約¥900/kg