高温ガス炉の実用化に向けて

国内実証炉の建設に向けて

未来の水素社会はここからはじまる

これまで研究開発が進められてきた次世代の原子炉技術が、いよいよ実用化に向けた新たなステージに入ろうとしています。「高温ガス炉」の国内実証炉建設に向けた動きや実現に向けた課題、その取り組みをご紹介します。

  • 次世代のエネルギー拠点建設に向けて

    HTTRでの運転試験を経て、国内の高温ガス炉開発は、実証炉の設計・建設を行う段階を迎えています。2023年7月、この国家プロジェクトを牽引する中核企業として、三菱重工業株式会社が選定されました。 経済産業省が進める「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」に基づき、2030年代の実証炉建設に向けて、現在は基本設計や研究開発を積極的に進めています。

    高温ガス炉の国内実証炉

    目標:大量かつ安定的な水素製造を実現する高温ガス炉プラントを実証

    実証炉の設備概念図。高温ガス炉の800℃以上の熱を中間熱交換器経由で水素製造施設へ送り、大量かつ安価に水素を供給する仕組みです。余剰熱は発電に回し製鉄所等で多目的利用するプロセスを描いています。1次系と2次系のヘリウム循環によるクリーンな熱輸送の流れが視覚的に示されています。 実証炉の設備概念図。高温ガス炉の800℃以上の熱を中間熱交換器経由で水素製造施設へ送り、大量かつ安価に水素を供給する仕組みです。余剰熱は発電に回し製鉄所等で多目的利用するプロセスを描いています。1次系と2次系のヘリウム循環によるクリーンな熱輸送の流れが視覚的に示されています。
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  • 実現に向けた3つの課題と取り組み

    社会的な仕組みづくりも含めて事業を進めています。

    1. 政策・ルールの整備(事業の予見性担保)

    新しい技術であるため、高温ガス炉の特性を考慮した安全基準、高温下で使用する黒鉛金属材料の構造設計規格の策定が必要です。日本原子力学会および日本機械学会において、大学、産業界およびJAEAの専門家が、高温ガス炉の安全確保のための技術要件や、安全評価方針の調査研究および高温ガス炉構造設計規格の策定に向けた検討を進めています。

    2. 社会との対話(立地と信頼)

    施設を作る場所(立地)の検討や、地域の方々に安心して受け入れてもらうための信頼関係づくりが不可欠です。2026年6月には、茨城県が国の施策及び予算への要望において、実証炉の県内への設置を求めました。こうした地域の声も踏まえながら、丁寧な対話を重ねていきます。

    3. 技術の確立

    より大型で安全な炉を作る技術や、CO₂を排出せずに効率良く水素を製造する技術など、実用化に向けた最終的な技術開発を行っています。