RI電池熱源開発

RI電池熱源開発

RI電池熱源開発特別チーム チームリーダー 高野 公秀

厄介な発熱性の廃棄物を
熱源として有効活用

RI電池熱源開発特別チーム
チームリーダー 高野 公秀

(Masahide Takano)

目的

廃棄物から生じる放射線や熱は、人が容易に近づけない過酷環境で、半永久・メンテナンスフリーのエネルギー源として活 用できる可能性を秘めています。
例えば RI 電池はその一例です。 RI電池熱源開発特別チームでは、放射性物質の安定化・密封化技術などを開発し、エネルギー源としてのRIを社会に提供することを目指しています。

半永久電源開発の用途例

数十年から100年以上、メンテナンス不要で稼働し続ける保温源や半永久電源を実用化し、原子力分野以外での科学技術の進歩や新たな発見に貢献します。

信号発信用電源
南極のような極寒地や深海での観測機器保温・信号発信用電源
モニタリング機器電源
放射性廃棄物の深地層処分場でのモニタリング機器電源
中枢機器保温・電源
太陽光の微弱な深宇宙探査機の中枢機器保温・電源
半永久電源の仕組み

アメリシウム(241Am)

  • 半減期432年のα崩壊核種
  • Pu中の241Puのβ崩壊で生成 → 保管中のPuに数%含有
  • 強いγ線を発するが、エネルギーが低く遮へいしやすい
  • 10gのAmで1Wの熱出力

発熱体と電源化

  • Am酸化物粉末に、結晶構造を立方晶に安定化する添加材を加え、ペレット状に焼き固める
  • ペレットを金属製のピンに入れて溶接で密封
  • 必要な本数のピンをブロック状の母材に挿入 → 発熱体
  • 発熱体に熱電変換デバイスを組み合わせて半永久電源

発熱体と電源化

Amを取り扱う鉄遮へいセル(左)と、遮へい付きグローブボックス(右)

Amを取り扱う鉄遮へいセル(左)と、遮へい付きグローブボックス(右)

Am発熱体を担当するJAEA、熱電変換デバイスを担当する産業技術総合研究所、宇宙利用を担当する宇宙航空研究開発機構の三機関で、共同研究により検討を進めてきました。