深地層研究計画の状況

平成30年12月の調査研究の状況

平成30年12月21日(金)更新

緩衝材流出試験のための水理試験等の実施

原子力環境整備促進・資金管理センター(以下、原環センター)と原子力機構は、平成30年度より、経済産業省資源エネルギー庁からの受託事業「ニアフィールドシステム評価確証技術開発」を共同で実施しています。
 今回、深度350m調査坑道の試験坑道5において、当該事業の中で原環センターが実施する緩衝材流出試験のための事前計測として、3次元計測、湧水量測定および水理試験を行いました。3次元計測では試験孔の形状を正確に把握するため、試験孔にターゲットシールを貼り付けたシートを設置し、3Dスキャナー装置で孔壁の形状を計測しました(図1および写真1,2)。また、試験孔周りの水理条件等を把握するため、試験孔内の下半分程度をケイ砂で充填した状態で、試験孔の上部を対象に湧水量測定および水理試験を実施しました(図2)。
 今後は、得られたデータをもとに試験に必要な装置や計測方法などを検討して、平成31年度に緩衝材流出試験(図3)を行う予定です。


図1 3次元計測イメージ図
ターゲットシールを基準にして、スキャンしたデータを重ね合わせることで、
孔壁全体の形状を把握します。

写真1 3次元計測実施状況(その1)

写真2 3次元計測実施状況(その2)

図2 水理試験のイメージ図

図3 緩衝材流出試験のイメージ図

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平成30年12月14日(金)更新

低アルカリ性セメント材料のコア採取作業
(大成建設および日鉄住金セメントとの共同研究)

大成建設(株)および日鉄住金セメント(株)との共同研究として、低アルカリ性セメントに関する研究を実施しています。本共同研究では、大阪大学接合科学研究所が開発した、「もみ殻由来シリカを利用した低アルカリ性セメント」*1を用いて、平成28年度に深度350m調査坑道の底盤において注入試験を実施し、その後は地下水のpHのモニタリングを継続していました(平成29年3月10日掲載記事参照)。 今回、注入試験箇所からコアを採取するための削孔作業を実施しました(写真1)。採取したコアは、pH確認試験などを行い、室内試験で製作した供試体との比較を行います。


*1 もみ殻由来シリカを利用した低アルカリ性セメントとは…
 もみ殻から得られるシリカ(二酸化ケイ素:SiO2)を利用したもので、普通ポルトランドセメントよりも地層処分環境として好ましい低アルカリ性(pH<11)を示します。シリカは食品の乾燥剤などにも含まれています。

写真1 コア採取作業の様子

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平成30年12月7日(金)更新

試験坑道2における隙間充填技術の実証試験(その2)
(原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究)

原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究「搬送定置・回収技術の実証的検討に関する研究」では、深度350m調査坑道の試験坑道2において、処分坑道横置き定置方式での人工バリアの搬送定置・回収技術の実証試験を予定しています。 今回、平成30年11月22日掲載記事で紹介した充填装置(写真1)を用いて、隙間充填技術の実証試験を行いました。実証試験は、隙間充填材であるベントナイトペレット(ベントナイト100%)を充填装置のスクリューコンベアで下部の隙間(幅約10cm)に供給しながら、充填装置を徐々に後退させ、隙間の奥側から充填を行いました。図1に充填試験のイメージを、写真2に充填試験の実施状況を示します。 また、充填試験完了の様子を写真3に示します。この後、上部の開放部の隙間に対して、ベントナイト混合土(ベントナイト:ケイ砂=1:1)の吹付け施工試験を実施します。


写真1 充填装置全景

図1 充填試験イメージ

写真2 充填試験実施状況

写真3 充填試験完了の様子

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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