平成29年3月24日(金)更新
3月17日(金)に、幌延深地層研究センター国際交流施設において、原子力環境整備促進・資金管理センター(以下、原環センター)との専門委員会を開催しました。
本専門委員会では、幌延深地層研究センターの地下施設や原環センターの運営する地層処分実規模試験施設で実施している共同研究「人工バリア等の健全性評価及び無線計測技術の適用性に関する研究」及び「搬送定置・回収技術の実証的検討に関する研究」における平成28年度の成果ならびに今後の課題等について意見交換を行いました。
写真 専門委員会の様子
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平成29年3月24日(金)更新
今年度から琉球大学およびアース・スキャニング研究会*2との共同研究である、「亀裂性堆積軟岩の物性評価法に関する研究」を進めています。本研究では、超音波式ボアホールカメラにより取得されたボーリング孔壁の画像と、岩石コアの力学試験結果等を比較し、岩盤の性質(強度や変形など)を定量的に分類する新たな指標を作ることを目的としています。
本研究で実施する原位置調査の一環として、超音波式ボアホールカメラによるボーリング孔壁画像の取得作業を、3月16日に実施しました。対象としたボーリング孔は、東立坑の坑底(深度380m)から掘削した長さ120mのボーリング孔です(
平成28年11月4日掲載記事
参照)。写真1に現場作業状況を示します。ボーリング孔に、写真2に示す超音波式ボアホールカメラを挿入し、写真3に示すような孔壁の画像を取得しました。今後は、岩石コアの力学試験を実施し、今回得られた画像やコア観察結果・検層結果等と比較して、岩盤の性質を定量的に分類する指標について検討します。
*1 超音波式ボアホールカメラによる画像取得とは…
超音波を発信して、反射してくる波の強度を測定し、反射強度をデータ処理して画像に変換する観察方法です。
*2 アース・スキャニング研究会とは…
地盤調査のビジュアル化の発展・普及に努め、人々が安心できる社会の基盤づくりを目指して設立された団体。1993年に設立され、12社の地質・建設コンサルタント会社やメーカーで構成されている。
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平成29年3月10日(金)更新
平成28年度から平成29年度にかけて、大成建設(株)および日鉄住金セメント(株)と低アルカリ性セメントに関する研究を実施しています。本共同研究では、大阪大学 接合科学研究所の近藤勝義教授および梅田純子准教授が開発したもみ殻由来シリカを利用した低アルカリ性セメント*1を用いて、350m調査坑道の底盤において注入試験を実施しました。(
平成29年2月3日の掲載記事
参照)
現在は、セメント注入後の周辺地下水環境への影響について、地下水のpHを自動で計測するシステムを設置し、測定を3月7日より開始しています(写真)。測定は平成29年度にかけて実施し、普通ポルトランドセメントと低アルカリ性セメントによる周辺地下水への影響の違いについて調査する計画です。
*1 もみ殻由来シリカを利用した低アルカリ性セメントとは…
もみ殻から得られるシリカ(二酸化ケイ素:SiO2)を利用したもので、普通ポルトランドセメントよりも地層処分環境として好ましい低アルカリ性(pH<11)を示します。シリカは食品の乾燥剤などにも含まれています。
なお、本共同研究では、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術支援センターの委託事業である、革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)「ナノ構造体シリカ粒子の高純度・低コスト化製法開発と工業用機能性素材の用途開拓」の一部を活用しています。
写真 pH計測システムの設置状況
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