深地層研究計画の状況

平成29年7月の調査研究の状況

平成29年7月28日(金)更新

人工バリア性能確認試験 比抵抗トモグラフィ測定

深度350m調査坑道( 試験坑道4 )で実施している 人工バリア性能確認試験 では、緩衝材中や埋め戻し材中に設置した各種計測センサーによる連続測定に加えて、定期的に比抵抗トモグラフィの手動測定により、緩衝材中の水分の分布を確認しています(写真1)。比抵抗トモグラフィは、緩衝材周辺に設置した電極(図1)に電流を流して、電極間の抵抗を測定することで、水分の分布を把握することができます。抵抗が大きいほど水分が少なく、抵抗が小さいほど水分が多く飽和に近づいていることになります。


写真1 比抵抗トモグラフィ測定の様子

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図1 比抵抗トモグラフィ測線
(見やすくするために、緩衝材の一部を透明にしています)

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平成29年7月21日(金)更新

幌延地圏環境研究所との研究交流会を開催

7月7日(金)に、幌延深地層研究センター国際交流施設において、幌延地圏環境研究所(H-RISE)との第22回研究交流会を開催しました。幌延深地層研究センターでは、H-RISEとの研究協力の一環として、研究成果に関する意見交換を目的とした研究交流会を平成16年度から実施しています。
 研究交流会では、幌延深地層研究センターからの研究発表として、坑道掘削時の内空変位*1に基づく初期地圧評価や、坑道周辺の酸化還元状態について発表を行いました。また、H-RISEからは、褐炭*2と過酸化水素水が反応した際の力学特性や、微生物による褐炭からのバイオメタンの生成、道北地域の堆積岩中に存在するヨウ素に関する研究発表があり、それぞれの報告に関して意見交換を行いました。


*1 内空変位とは…
 坑道内で吹付けコンクリート内側の断面の相対変位量を計測することです。

*2 褐炭とは…
 不純物の多い、低品位な石炭のことです。

写真1 研究発表の様子

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写真2 総合討論の様子

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平成29年7月7日(金)更新

3Dスキャナによる試験坑道2の形状測定(原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究)

原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究「搬送定置・回収技術の実証的検討に関する研究」では、深度350m調査坑道 の試験坑道2において、処分坑道横置き定置方式*による、人工バリアの搬送定置・回収技術の実証試験を計画しています。  今回、平成28年度に試験設備を整備した試験坑道2( 平成29年1月27日掲載記事 参照)の坑道形状を詳細に把握するために、3Dスキャナによる測定を実施しました(写真1)。3Dスキャナは、計測器からレーザーを照射し、対象までの距離を測定します。これを3次元的に多数の点に対して繰り返すことで、坑道全体の細かな凹凸も把握することができます(写真2,3)。

*1 処分坑道横置き定置方式とは…
 坑道に人工バリアを横向きに定置する方式です。(なお、試験坑道4で実施している 人工バリア性能確認試験 は竪置き定置方式を採用しています。)

写真1 3Dスキャナの設置状況

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写真2 計測状況

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写真3 計測画面の例
(試験坑道2の形状が点群として表示されています。)

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これまでにご紹介した調査研究の状況

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