令和5年8月25日(金)更新
国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究「海陸連続三次元地質環境モデルの妥当性の検証に向けたデータ取得手法の高度化」において、幌延町の沿岸部における海上物理探査を令和5年7月12日から8月13日まで実施しました。この探査では、反射法音波探査という手法により海底下の地質構造を推定します。図に示す通り、船体に取り付けた発振器から周波数や波長の異なる音を発振し、海底下の地層の境界面などで反射または屈折して戻って来る音(反射波/屈折波)を船尾から出たストリーマーケーブル(受振器)(写真1および写真2)で受振します。昨年度は発振器として非パルス型振源*1である水中スピーカーを使用しました。今年度は、昨年度よりも深部の地質構造データを得るために、水中スピーカーの直径を大きくしたり、音をより長い時間発振するなどの工夫を行うとともに、水中スピーカーよりもパワーの大きいパルス型の発振器*2(GIガン*3やウォーターガン*4(写真3))の使用も試みました。
今後は、取得したデータを解析して幌延町沿岸部の海底下の地質構造を推定するとともに、既往の反射法地震探査によって得られたデータと組み合わせることで、陸域から海域にかけて連続的に地質構造を推定する方法の有効性を検討します。
*1 連続的に音を発振させる発振器のことです。
*2 断続的(瞬間的)に大きな音を発生させる発振器のことです。
*3 圧縮空気の放出により音を発振させます。
*4 水の放出により音を発振させます。
図 反射法音波探査のイメージ
写真1:ストリーマーケーブル(受振器)を収納したドラム
写真2:ストリーマーケーブル(受振器)と発振器を曳航する様子
写真3:発振器に使用したウォーターガン
令和5年8月10日(木)更新
原子力機構が実施している国内外の研究機関や大学、産業界等と連携した幅広い原子力分野における人材育成の一環として、令和5年7月24日(月)~27日(木)に、幌延深地層研究センターにおいて韓国ソウル国立大学の学生を対象とした放射性廃棄物の地層処分に関する技術研修を開催しました。
この技術研修では、ソウル国立大学の学生(10名)を対象に、我が国の地層処分技術に関する研究開発の現状などに関する講義や地質・地下水調査の実習を行いました(写真1~4)。
7月24日(月)には、ゆめ地創館、地層処分実規模試験施設の見学も行いました。
写真1 技術研修の参加者および講師一同
写真2 技術研修の様子
写真3 実習風景(1)
写真4 実習風景(2)