平成18年11月24日
独立行政法人日本原子力研究開発機構
 
ベルギー原子力研究センター(SCK・CEN)との原子力研究開発分野における協力のための取り決めの締結について(お知らせ)
 

 独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 殿塚猷一)(以下、「原子力機構」と言う)は、原子力に関わる幅広い分野における研究開発の推進を図るため、平成18年11月23日にベルギー原子力研究センター(SCK・CEN)との間で研究協力の取り決めを締結しました。
 
1. 取り決め締結までの経緯
 原子力機構発足(平成17年10月1日)以前から、その前身であった旧日本原子力研究所(以下、旧原研)と旧核燃料サイクル開発機構(以下、旧サイクル機構)は、原子炉工学や放射性廃棄物管理等の分野で様々な取り組みを50年以上にわたって続けているベルギー原子力研究センターとの間で、研究者レベルでの交流を行っていました。平成17年6月16日には、旧原研とベルギー原子力研究センターは、愛知万博にベルギー皇太子フィリップ殿下が来日されたのを機に、殿下のご臨席の下、原子力機構発足後に協力取り決めを締結する旨の覚え書きを交わしました。今般の取り決めは、この覚え書きに基づき、旧サイクル機構で行われていた交流も含め、より広範囲な分野に関する協力を推進するために締結したものです。

 
2. 取り決めの締結日
 平成18年11月23日(木)(現地時間)にベルギー・ブリュッセルのベルギー原子力研究センター本部にて、原子力機構 殿塚理事長と、ベルギー原子力研究センターの理事会議長であるフランク・ドゥコニンスク教授と経営本部長であるエリック・ヴァン・ウォール教授が取り決め書に署名し、取り決めが締結されました。

 
3. 取り決めの概要
(1) 協力範囲
・加速器駆動システム(ADS)
・廃止措置と解体
・原子炉構造材料
・高レベル放射性廃棄物処分
・その他合意した事項

 なお、取り決め締結時から具体的な協力を開始するのは、「加速器駆動システム(ADS)」1)に関する研究開発と「廃止措置と解体」2)に関する研究開発です。ADSについては、双方が独立して進めてきたADS及びその実験用施設の設計検討やADSに用いる液体鉛ビスマス合金等に関する技術開発を共同で進めます。廃止措置と解体に関しては、実験施設の解体やその際に生じる廃棄物の減容処理技術について双方の持つノウハウを共有することで、効率的な施設の廃止措置を図ります。
 その他の項目についても双方の担当部署間での実施計画が立案され次第、順次、協力を開始して参ります。また、本項目に入っていない分野についても、必要に応じて追加することができます。
 
(2) 協力形態
 双方が進める研究開発についての情報交換や共同研究を行うことで、効率的な研究開発に資すると共に、専門家等の派遣や人員交換により、交流の促進を図っていきます。具体的な協力の進め方については、各分野ごとに実施計画を定めて、実務者同士が効率的に研究を進めていけるようにしています。
 
(3) 協力期間
・平成18年11月23日から5年間
 

補足資料:
 1.ベルギー原子力研究センター(SCK・CEN)の概要
 2.加速器駆動システム(ADS)に関する研究協力の概要
 3.廃止措置と解体に関する研究協力の概要
 4.用語説明
以 上

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