補足資料2
 
加速器駆動システム(ADS)に関する研究協力の概要
 
 原子力機構では使用済核燃料に含まれるマイナーアクチニド(MA)等の長寿命放射性核種を安定核種又は短寿命核種に核変換することを目的に、加速器駆動システム(Accelerator Driven Systems:ADS)に関する研究開発を進めている。ADSは図1に示すように、陽子加速器、核破砕ターゲット、未臨界炉心等の極めて広範囲な技術分野で構成される。また、大強度陽子加速器施設J-PARCの第II期として、核変換技術及びADSに関する基礎的な実験を行うことを目指した核変換実験施設の整備を検討している。
 ベルギー原子力研究センターでは、現有研究炉BR2の後継として、照射試験用ADSである「MYRRHA」(図2)の建設を計画しており、鉛ビスマス核破砕ターゲットや未臨界炉心の構造等に関する研究開発を進めている。
 本協力は、ADSに関する具体的な施設整備計画を持っている2機関が連携してそれぞれの計画の効率的かつ相補的な遂行に資すると共に、多岐にわたる技術開発分野における研究開発の促進を図るものである。
 具体的には、以下の研究開発項目で協力を行う。

    (a) 実験施設を含むADSの設計
 照射試験用ADS、実用ADS、J-PARCにおける核変換実験施設等に関する設計研究及び技術開発について情報交換を実施する。
 
    (b) 燃料被覆管材料
 ADS用燃料被覆管として有望な鋼材の開発を分担して実施する。
 
    (c) 鉛ビスマス利用技術
 鉛ビスマスは130℃以上で液体となる重金属で、ADSの核破砕ターゲット及び炉心冷却材として有望視されている。ADSで使用する機器から鉛ビスマスを除去するための洗浄技術、純度管理技術、蒸発挙動データ、伝熱流動特性データ等に関わる技術について情報交換を実施する。
 






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