補足資料4
 
用語説明
 
1) 加速器駆動システム(Accelerator Driven System: ADS)
 炉心体系を未臨界状態に保ったまま、加速器を用いた強力な中性子源で核分裂反応の連鎖反応を維持するシステムのこと。加速器には加速エネルギー数百MeV(MeV:百万電子ボルト)から数GeV(GeV:十億電子ボルト)の陽子加速器を用いる。加速した陽子は未臨界体系の中央に置いた重金属ターゲットに導かれ、核破砕反応により1陽子あたり数十個の中性子を発生させる。この中性子は未臨界体系で核分裂反応を起こし、核分裂反応で生じる中性子がさらに次の核分裂反応を引き起こす連鎖反応の「種火」となる。未臨界体系なので、この種火が無くなれば連鎖反応が直ちに終息することが通常の原子炉とは異なる点である。臨界状態を保つ必要のある通常の原子炉に比べて、燃料組成の選択の幅を広げることができるため、通常の原子炉では含有量が制限されるネプツニウム(Np)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)等のマイナーアクチニド元素を多く含んだ燃料を使用できることが特徴である。これらのマイナーアクチニド元素は、高レベル放射性廃棄物中で長期にわたって放射能毒性を保持する元素であるため、短寿命化又は安定化のための核変換処理の対象とされている。このことより、ADSは放射性廃棄物の処分の負担を軽減するための核変換専用システムとして多くの国で研究開発が行われている。このほか、トリウムを用いて安全かつ長寿命核種の生成量の少ないエネルギー源として利用する考えも示されている。

 
2) 廃止措置と解体(Decommissioning and dismantling)
 廃止措置とは、原子力施設の共用終了後に取られる措置のことを言う。具体的には、施設の解体、保有する核燃料物質の譲渡、核燃料物質による汚染の除去、核燃料物質によって汚染された物の廃棄等の措置を指し、当該原子力施設内に残存している放射性物質による周辺公衆への放射線被ばくのリスクを安全で合理的なレベルにまで低減する行為を言う。
 
以 上

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