━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010.1.29 ━━━━━━━━

■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.112 目次 ----++

現場から ____ 「光の不思議」を体感できる科学技術理解増進活動の展開−きっづ光科学館ふぉとん、関西光科学研究所

海外事務所便り _ ケンタッキー州議会が原子力発電所建設禁止解除法案を可決 ほか

広報紙から ___  私たちが生み出した廃棄物を私たちの世代できちんと処分する(「未来へげんき」No.15)

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「光の不思議」を体感できる科学技術理解増進活動の展開−きっづ光科学館ふぉとん、関西光科学研究所

太陽系の惑星配置についてサッカー場に例えて考えてみましょう。太陽をセンターマーク上に、準惑星に格下げられた冥王星をゴールライン上に仮定する場合、地球を含め水星や金星の内惑星はもちろんのこと、火星及び木星までもが全てセンターサークル内に収まってしまいます。センターマークからゴールラインまでの1/4の距離に土星が、ゴールラインまでの半分の距離に天王星が、ペナルティーエリア内に海王星が位置されるそうです。ここでは、光の速度が、なんと「なめくじ」の進む速度に相当するそうです(宇宙航空研究開発機構(JAXA)学習教材より)。これを早いというのか、実に遅いと捉えるのかは、意見の分かれるところですが、宇宙の広大さに比べると、光が速いという概念とは異なるようです。

関西光科学研究所に隣接した「きっづ光科学館ふぉとん」では、光や宇宙、エネルギーについての実験・工作教室、セミナー、講座および研修を、ときには宇宙の広さや惑星を示す実験材料としてトマトやリンゴを調達しながら、年間のべ回数50回以上行っています。

光の不思議を説明する際に、超新星の話をしばしば取り挙げます。超新星といえば、冬の大三角の一つでもあるオリオン座の一等星ベテルギウス(赤色超巨星、600光年)に超新星爆発の兆候が観測されており、最近、大きな話題になっています。

歴史上で、最も明るく輝いて見えた超新星は、1006年に「おおかみ座」の方面に出現した超新星SN1006(7000光年)だそうです。この分野の研究では、JAXAが1993年及び2005年に打ち上げたX線天文衛星「あすか」や「すざく」が大きく貢献しており、SN1006等、超新星の残骸の姿に関するX線撮像に成功したとともに、宇宙線加速の場(天然の加速器)ともなっていることが判ったそうです。今から7000年も前の縄文時代に大爆発したその姿は、爆発直後の光として7000年の時間を要してようやく地球に到着し、1006年(平安時代中期 寛弘3年)には、数ヶ月間にわたり、日中でも見える程度に強く輝いて観察できたそうです。この様子は、歌人として知られる藤原定家(1162年−1241年) が日記「明月記」に、当時の陰陽師から伝え聞いた伝聞記録として記しており、夜でも白夜のように明るかったといわれています。さらにその大爆発後、なおも宇宙空間に星の残骸が猛烈に膨張しつつある1000歳の姿を、平安時代から千年紀に登場した最新の科学技術(人工衛星)で、目の当たりにしているわけです。

「きっづ光科学館ふぉとん」では、関西光科学研究所とともに、幼児から小中学生及び高校生、時には、学校の先生方も対象として、楽しく学びつつも、科学のエッセンスをできるだけ盛り込んだ実験教室を中核とする科学技術理解増進活動を、地域の行政・教育機関や学校とも連携しながら広範囲に展開しています。

ところで、先日の帰りぎわには、研究所(京都と奈良の県境にある裏山に隣接)の敷地で深夜にしばしば出没する野生のシカと対峙(共生?)しながら、平城京遷都から1300年を経た悠久の時の流れを実感しているところです。

関西光科学研究所 管理部 星屋 泰二

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

☆ ワシントン事務所
<ケンタッキー州議会が原子力発電所建設禁止解除法案を可決>
 ケンタッキー州の上院議会は1月20日、新規原子力発電所建設を禁止することを解除する法案を27対10で可決しました。
 http://www.lrc.ky.gov/pubinfo/release.htm#nuclear

<ExelonとGE-HitachiがCo-60製造で協力>
 Exelon社とGE-Hitachiは1月19日、Co-60製造を試験的に実施することについて合意したと発表しました。
 http://www.ge-energy.com/about/press/en/2010_press/011910b.htm

☆ パリ事務所
<ドイツのウラン濃縮施設内で放射能漏れ事故>
 欧州ウラン濃縮会社ウレンコは1月22日、ドイツ西部のノルトライン・ヴェストファーレン州にある同社のウラン濃縮施設内で放射能漏れ事故が21日に発生し、作業員1人が検査のため入院したと発表しました。この事故による周辺環境への影響はありません。
 http://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=en&tl=ja&u=http%3A%2F%2Fwww.urenco.com%2F&anno=2

<Alain Fuchs氏が仏国立科学研究センター(CNRS)の理事長に>
 仏最大の政府系基礎研究機関であるCNRS(Centre national de la recherché scientifique)の理事長にAlain Fuchs氏が選ばれました。
 http://www2.cnrs.fr/presse/communique/1772.htm

━ 広報紙から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構が社外向けに発行している広報紙などからトピックスを紹介します。

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*上記の詳細はhttp://www.jaea.go.jp/saiyou/index.htmlをご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「鬼は〜外!福は〜内!」節分の日(2月3日)が近づいてきました。豆まきは子供の頃好きだった行事の一つですが、ここ最近は「恵方巻き」なる風習も全国的なものになってきました。

この恵方巻き、節分の夜にその年の恵方(福や徳を司る神様のいる方向)に向かって、目を閉じて願い事を思い浮かべながら太巻きをまるかぶり(関西方言であり、関東でいう「まるかじり」の意)するのが習わしとされます。食べている間は、無言でなければなりません。また、七福神に因んで、かんぴょう、キュウリ、シイタケ、伊達巻、うなぎ、でんぶ等七種類の具を入れて「福を巻き込む」という意味があるそうです。ですので「福を切らずに」1本まるかじりするのだとか。また諺・『鬼に金棒』の金棒に見立てて、豆まきで追い出した鬼が落としていった金棒を体に取り入れる事で、無病息災・商売繁盛がもたらされる意味合いがもたれたともいわれています。

気になる今年の恵方は「西南西」とのこと。みなさんも豆まきと恵方巻で一年の無病息災を願ってみてはいかがでしょうか。(広報部 筒口和弘)

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行 JAEAロゴ ○

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