The Radiation Odyssey

STAGE4 宇宙と放射線

X線天文衛星「すざく」のミッション

「すざく」は、「はくちょう(1979年)」「てんま(1983年)」、「ぎんが(1987年)」、「あすか(1993年)」に続く、日本で5番目のX線天文衛星(2005年打ち上げ)です。
人間が肉眼で見ることのできる光は「可視光」と呼ばれるごく狭い領域です。星の世界では可視光線だけでなく、可視光以外の波長でもいろいろな現象が起きています。そのため、X線を使うことによって、人間の肉眼では見ることができないような現象も観測することができます。

X線は大気で大きく吸収されてしまうため、地上からはX線で宇宙を観測することができません。X線で宇宙を観測するには、気球、ロケット、人工衛星といった飛翔体を用いて観測装置を大気圏の外に運び出す必要があります。「すざく」はX線を使って宇宙の奥深くにある、エックス線連星、超新星残骸、ブラックホールなどのX線天体の謎を解明する為に打ち上げられました。
幅広いエネルギー帯域での観測が可能なX線望遠鏡の他、硬X線検出器やX線CCDカメラ、高分解能X線分光器など、世界最高レベルの観測機器を備えた「すざく」は、宇宙の構造形成やブラックホール直近領域の探査など、順調に成果をあげています。
また、日本では現在、2013年打ち上げを目標に「すざく」の後継となるX線天文衛星「ASTRO-H」の開発が進められています。

参考資料

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