The Radiation Odyssey

STAGE3 身近にある放射線

身の回りの放射線

私たちは日常生活をおくる上で、身の回りのいろいろなものから放射線を受けています。宇宙からやってくる放射線、大地から出ている放射線、私たちが口にしている食べ物からも放射線は出ています。

宇宙からやってくる放射線の大半は地球のバンアレン帯や地球の大気に遮られ、地表まで届く放射線はごく僅かです。宇宙から届く放射線は、飛行機や山の頂上など標高が高いところほど線量が高くなる傾向があります。

地面に含まれる花崗岩やモナザイトなどの岩石には、ウランやトリウムやカリウム40などの、地球内部に昔から存在した放射性物質が含まれています。地下のマグマが地上に出てきた花崗岩が広く分布している西日本は、東日本と比べて高い放射線量を示す傾向にあります。
また、花崗岩は建物の外壁や床材、墓石などに使われていますので、そのすぐ近くの線量が上がっていることがあります。
地中由来のものとして一部の温泉にも放射性物質を多めに含むものがあります。これらは放射能泉と呼ばれラドンやラジウムなどを多く含んでいます。

放射性物質は自然界の至るところにあります。植物や動物には必ず放射性物質が含まれています。例えば植物や動物に必須の栄養素であるカリウムですが、天然カリウムのうち0.01%程度は放射性のカリウム40です。
これらの動物や植物を食物としている私たちの体内にも自然の放射性物質が取り込まれており、体重60kgの大人で約4000ベクレル、重さ約15ミリグラム程度のカリウム40が存在しています。
私たちは主に、宇宙・大地からの放射線、空気中、食料に含まれる放射性物質からの放射線で、自然から年間2.4ミリシーベルト程度の被ばくを受けています。
(数値は世界平均。日本の場合は2.1ミリシーベルト程度)

参考資料

■佐々木 康人『身近な放射線の知識』
■文部科学省『小学生・中学生・高校生のための放射線副読本』
■国連科学委員会(UNSCEAR)2000年報告
■原子力安全研究協会『新板 生活環境放射線』

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