The Radiation Odyssey

STAGE2 放射線の歴史と基礎知識

放射線の種類と透過率

アルファ線(粒子線)
原子核がアルファ壊変を起こしたときに放出される放射線です。アルファ壊変とは、不安定な原子核が、安定した状態になろうとして、中性子2個と陽子2個からできているヘリウムの原子核を外に放出することで、これがアルファ線の正体です。このアルファ線は高いエネルギーを持っていますが、透過力が弱く、紙一枚あれば止まってしまう放射線です。

ベータ線(粒子線)
ベータ線は原子核がベータ壊変を起こしたときに放出される放射線です。ベータ壊変とは中性子1つが陽子になって安定した状態になろうとする壊変で、このときに高速で放出されるマイナスの電荷を帯びた電子がベータ線の正体です。ベータ線の透過力は、一般的にはアルファ線よりも大きく、空気中は透過しますが薄い金属板プラスチック板で遮断できます。

中性子線(粒子線)
原子核を構成する中性子が放出されたもので、たとえばウラン235が核分裂を起こすときに発生します。非常に透過力が強く、また、原子に取り込まれて新たな放射性物質に変性させる「放射化」という作用をもつのが特徴的です。遮蔽には厚いコンクリート・水槽、ポリエチレンのブロックなどを用います。

image

ガンマ線(電磁波)
ガンマ線は波長が短い電磁波で、放射性物質の原子核からアルファ線やベータ線が飛び出した後、原子核に残されたエネルギーが放出されたものです。強い透過力が特徴で、重い原子によく吸収されるため、遮蔽には鉄・鉛・コンクリート壁を用います。

X線(電磁波)
1895年にウィルヘルム・C・レントゲンによって発見された放射線で、10nmから0.01nm程度の比較的短波長の電磁波です。発生してからの放射線としての特徴はガンマ線とまったく同じで、遮るには鉄・鉛・コンクリート壁を用います。

中性子線(粒子線)
原子核を構成する中性子が放出されたもので、たとえばウラン235が核分裂を起こすときに発生します。非常に透過力が強く、また、原子に取り込まれて新たな放射性物質に変性させる「放射化」という作用をもつのが特徴的です。遮蔽には厚いコンクリート・水槽、ポリエチレンのブロックなどを用います。

参考資料

■茨城県環境放射線監視センター ホームページ
■日本放射線技術学会『放射線物理学』
■日本アイソトープ協会『アイソトープ手帳』

TOPICS

Copyright(C) Japan Atomic Energy Agency. All Rights Reserved.