The Radiation Odyssey

STAGE2 放射線の歴史と基礎知識

自然の原子炉

1972年、中央アフリカのガボン共和国の南東部にあるオクロ鉱山の露天掘りのウラン鉱床の中に、約20億年前、天然の原子炉が存在したことが確認されました。
原子炉が存在した20億年前は核分裂の燃料となるウラン235の濃度が現在よりも高かったこと、ウラン鉱脈が減速材となる地下水に接していたこと、オクロのウラン鉱床は中性子を吸収する不純物が少なかったことなど、核分裂反応が連鎖的に起きるためのさまざまな条件が満たされていたと考えられています。

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オクロの天然原子炉が生み出したエネルギーは、現在使われている100万キロワット級の原子炉5基を1年間フルパワーで運転したときと同じぐらいだといわれています。
オクロ鉱床以外の地にあるウラン鉱床で天然原子炉を探すため、オーストラリア、カナダ、ブラジル、ザイール、テキサスおよび南アフリカなどの鉱床についても研究されましたが、いずれの国のウラン鉱床も天然原子炉の存在が確認されていません。

参考資料

■環境科学技術研究所 ホームページ
■原子力百科事典ATOMICA

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