STAGE4 宇宙と放射線

宇宙空間には銀河宇宙線や太陽風という極めて強い放射線が飛びかっている。我々の住んでいる地球表面は、大気という遮蔽物で大部分が遮断されているが、人工衛星や宇宙基地など宇宙開発に関わる場合には、これらの放射線に対し、宇宙船や宇宙服などに十分な放射線対策を施す必要がある。このステージでは、宇宙から地球に降り注いでいる放射線の正体、宇宙服や宇宙線の構造、さらに、X線天文衛星「すざく」による宇宙の構造やブラックホールの研究など宇宙を舞台にした放射線の利用に迫る。

宇宙環境計測ミッション装置SEDA-AP

SEDA-APは「宇宙の百葉箱」ともよばれる、宇宙環境の計測装置です。国際宇宙ステーションISS「きぼう」日本実験棟に搭載され、宇宙ステーションの周回軌道上の放射線・プラズマ・ダスト等の定量的計測や材料暴露実験、電子部品評価実験を行い宇宙環境が部材に与える影響のデータを集める装置です。

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宇宙は宇宙放射線や太陽風によって地上より高い放射線にさらされています。また、その放射線は衛星の中に使われている電子機器を通過するときに、一時的に誤動作を起こしたり、永久的な損傷を与えることがわかっています。それに加え、放射線やスペースデブリや原子状酸素は宇宙船表面の構造材や塗料を劣化させてしまいます。
宇宙ステーションが周回する軌道でこれらの放射線やイオン、粒子などが材料や電子部品へどのように影響するのかを調べて、これからの宇宙開発に必要な基礎データを提供することがこの装置の目的です。

参考資料

宇宙航空研究開発機構JAXA ホームページ
日本電気株式会社 NEC ホームページ