STAGE3 身近にある放射線

ノーベル賞で有名になったニュートリノの観察で地熱の半分が放射性物質由来であることがわかった。神岡鉱山でのニュートリノ研究から、海水にも含まれる膨大な放射性元素、さらに広東省の陽江、インドのケララ、イランのラムサールなど高自然放射線地域の紹介、食物や人間の体内、身近なところにある自然の放射線量などを取り上げ、放射線の居場所を探る。

地中の放射線

隕石の衝突などで初期の地球は非常に高温な状態でしたが、次第に冷えて今のようになりました。しかし、今でも地殻の中は非常に高温になっています。それは地球が誕生した時からの熱の残りに加え、ウラン・トリウム・カリウム等が原子核壊変する際の崩壊熱によって温度が維持されているからです。
これらの放射性物質は、地球が誕生するより前に恒星の核融合で誕生したものや、超新星爆発の時に誕生したものに由来しています。

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この放射性物質は地殻変動や、火山活動で地上に出てくることがあり、西日本では火山活動由来の花崗岩のある地域で放射線量が高くなる傾向がありますが、それでも年間平均で1mSv前後の線量です。
また、ラドンやラジウムのように、天然温泉と関連の深い放射性物質もあります。
他にも、原子力発電で使われるウランなども、鉱脈として地中に自然に存在します。

参考資料

東北大学ホームページ
谷合稔『地球科学入門』