STAGE3 身近にある放射線

ノーベル賞で有名になったニュートリノの観察で地熱の半分が放射性物質由来であることがわかった。神岡鉱山でのニュートリノ研究から、海水にも含まれる膨大な放射性元素、さらに広東省の陽江、インドのケララ、イランのラムサールなど高自然放射線地域の紹介、食物や人間の体内、身近なところにある自然の放射線量などを取り上げ、放射線の居場所を探る。

高自然放射線レベル地域

放射性物質は自然界の至るところに存在します。世界にはたまたま自然の放射性物質が集まった場所があり、高い放射線量になっている地域が存在します。
ケララ(インド)では、地層に含まれていた放射性のトリウムを含むモナザイトが砂浜などに堆積し、高線量になっています。
ケララでは現地のがんセンターががんの調査をしていますが、とくに発生率が高くなっているという結果は、現在までは報告されていません。

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広東省陽江(中国)では、建材に使われている粘土に多くの放射性物質が含まれているために、屋外より屋内のほうが線量の高い状況になっています。
ラムサール(イラン)では放射能泉に含まれるラジウムが堆積することで、平均10mSv/年という高い濃度の放射線量が観測されています。

参考資料

近畿大学原子力研究所年報『世界の高自然放射線地域の線源、線量測定及び線量分布』