令和8年6月10日

カザフスタン共和国国立原子力センターと高速炉実証炉に係る
共同研究計画の協力覚書を取り交わしました

2026年6月3日、カザフスタン共和国国立原子力センター(NNC RK)のバティルベコフ総裁と当機構の小口理事長は、カザフスタン共和国のアルマトイ市内において、次世代革新炉の一つである高速炉の安全性強化に係る試験研究を推進するため、高速炉実証炉のシビアアクシデント対策に係る共同研究計画(EAGLE-4計画)の実施に向けた協力覚書を取り交わしました。
(注)シビアアクシデント…原子力施設の設計想定を大幅に超えて炉心の溶融などを伴う過酷な状態に至る事故。

当機構とNNC RKは、2000年代初頭から20年以上にわたり、高速炉の炉心安全性試験「EAGLE計画」を段階的に進めており、これまでに第1期から第3期までの計画(EAGLE-1,2,3計画)を実施してきました。この一連の計画では、高速炉の安全性を実証することを目的として、シビアアクシデント時に溶融した燃料が炉心から速やかに排出され、事故の拡大が回避されることをNNC RKが保有する試験用原子炉IGRでの実験により確認できました。

今般、EAGLE-3計画に続く第4期目の共同研究計画を実施することに両機関で合意し、高速炉の社会実装に向けた炉心安全性試験を着実に進め、両機関の連携を一層深めることを確認しました。

本共同研究計画では、NNC RKが保有する燃料集合体規模の燃料溶融を実現する世界唯一の試験用原子炉IGRとその関連試験施設を活用した炉心安全性試験を実施します。
この試験により、高速炉実証炉のシビアアクシデント対策として導入を予定している溶融燃料排出機構の有効性を裏付けるためのデータや知見の取得を目指します。

今後、EAGLE-4計画にて実施する炉心安全性試験の具体的な仕様を定めた実施取決めを締結し、NNC RKとの共同研究を進めてまいります。

○高速炉開発における当機構の取り組み
政府の高速炉開発の進め方を示す「戦略ロードマップ」(2018年12月21日原子力関係閣僚会議決定、2022年12月23日改訂)に基づき、2050年までの実証炉の運転開始が計画されています。当機構は、高速炉の社会実装に向け、国内中核企業と連携し、実証炉の概念設計及びシビアアクシデント対策技術開発を含む研究開発を進めています。

EAGLE計画におけるIGRを用いた試験概要